総合評価: ★★★☆
今回は広東人のソウルフードであるお粥シリーズの第2回目です。中国人にとってお粥は完全に生活に密着した食べ物です。以前も触れましたがその歴史は古く、紀元前10世紀の周の時代から食べられていた記録があるとかで、実に3000年ものとても長〜い歴史を持つ料理なんですね!
今回は広州地下鉄1号線の烈士陵园駅から徒歩5分のに位置する穗银肠粉店Sui4Yin2Chang2Fen3Dian4というお店をレビューします。店名にある「肠粉」ですが、腸?何かの内蔵?と思ってしまいますが、そうではありません。肠粉とは、焼売や海老餃子と並ぶ広東式点心(飲茶)の主力選手の一つで、下の写真の様に、形がちょうど腸に似ている事から、この様な名前がついたそうです。
それでは何故「粉」という文字が付いているかわかりますか?何だか粉っぽい食べ物を想像してしまいますがそうではありません。
中国では「粉もん」に対する感覚が日本とはだいぶ異なります。「面」=小麦粉、「粉」=米粉、と言う様に完全に分けて認識しており、日本の「麺」=「面」という訳ではありません。ラーメンの麺は「面」ですし、同時にパンも「面」なのです。
これに対して「粉」は米粉で出来たもの。日本人にも馴染みのあるもので代表的なものは「ビーフン(米粉)」ですね。肠粉はこれと同じで「腸の形をした粉」という意味で捉えれば間違いないです。
「面」と「粉」に関しては過去のラーメンレビュー 西関明記腸粉(広州) - 並んだり振り返ったりでも触れていますので、よかったらご参照下さい。
地下鉄の駅を降り、「広東省人民病院」という大きな病院の横を通り過ぎると店が見えて来ました。朝食を求めて訪れる人で賑わっていますね。
店に入ってすぐ右側のレジでメニューを確認します。
以前の私であれば迷わず、下段の右から6番目にある「皮蛋瘦肉粥Pi2Dan4Shou4Rou4Zhou1」=ピータンと豚肉のお粥を注文していたところですが、今回のお目当ては前回グルメレビュー【お粥】 陳老添美食店(広州) - 並んだり振り返ったりで食べて以来すっかりファンになった、下段左から6番目の「艇仔粥Ting3Zai3Zhou1」12元を注文します。
通常、中国語で料理は材料+料理 or 調理法で構成されていることが多い(上のピータンと豚肉のお粥のように)ので、基本的に翻訳は簡単と言えるのですが、「艇仔粥」はそうではないので正確な翻訳は難しいですね。
私の感覚で日本語的に言えば「海鮮五目粥」とでも表現できる料理だと思います。
注文を済ませ、満員の店内を見渡し、何とか空いている席を見つけ座ります。
朝っぱらから(というか朝だから?)たくさんの人がここのお粥や腸粉を楽しんでいますね。この店は期待できそうです。
完全にオープンな厨房では、おばちゃん達がせっせと料理を作っています。とても手際よく、見ていて気持ちがいいです。
ここで調味料のチェックをします。左から、塩、酢、胡椒、ラー油です。
ラー油はこんな感じです。おそらく腸粉に使うためにおいてあるのでしょう。今日は出番はなさそうですが、極めてスタンダードなラー油の様ですね。
こうして料理を待っている間もひっきりなしにお客さんがやって来ます。本当に人気がある店なんだと思います。
5分ほど待ち料理が運ばれて来ました。魚に油条(揚げパン)、ピーナッツや錦糸卵など、具が満載のお粥です!朝からこれが味わえるとは、広東省に住む特権です(笑)。
食べてみると、この店の人気の秘密が分かりました。とにかく中に入っている具の種類と量が多いんですね。これは魚の切り身ですね。
錦糸卵。
チャーシューと、
豚もつですね。
更に青菜と
これはイカですね。
これは何でしょうか?食べても分かりませんでした・・・(笑)
ここからは贅沢に具だくさんで頂きます!
具だくさんのお粥と過ごす夢のような時間も残念ながら終わりに近づこうとしています(笑)。ちなみに、中国式揚げパンである「油条」がこのお粥と溶け合っていい味出してくれるんですよね。日本人からすると朝から揚げパンは少しヘヴィかな?という感覚でしたが、この様にお粥に入れて食べると美味しさ倍増して大好きです。
今回は朝食の定番と言えるお粥をレビューしました。私の場合、特に今回食べた「艇仔粥」にハマっていまして、休日などは物凄く食べたくなる時があります。日本のお粥とは異なり、魚介類や肉などで積極的に濃厚な出汁を取る思想で作られているこの広東式のお粥、私はまた近いうちに食べに来てしまうと思います。皆さんにも強くお薦めしますので是非機会があればトライしてみて下さいね。それでは、最後までお読み頂きどうもありがとうございました。
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