並んだり振り返ったり

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知ってる?「中国10大ラーメン」その①

 今回はいつもと少し趣向を変えて書いて行きたいと思います。

日本でも、日本三景(松島、天橋立、宮島)とか、日本3大祭(京都祇園祭、大阪天神祭、東京神田祭)など、その分野で優れたものを幾つか並び称する習慣がありますが、国が変わってもそれは同じみたいです。

 中国でも例えば山で言えば中国五岳(嵩山、泰山、华山、衡山、恒山)や、中国3大発明(羅針盤、火薬、印刷)など、おおよそ人間というものは列挙するのが好きな様ですね。

 話をラーメンに移すと、日本にも「日本3大ラーメン」というのがあるらしいですね?「えっ?そんなのあったの?」と思った方、3つとも言い当てられますか?

 

 実は、札幌、博多、喜多方の3つのラーメンをそう呼んでいるとの事。皆さんどう感じましたか?

 私は半分納得、半分意外、そんな気持ちですね。そもそもラーメンというものは、料理の中でもそれぞれの味覚によって好みが大きく分かれる料理です。なので3大ラーメンなどと言って並べても余り意味をなさないのかもしれませんね。

 こんな身もフタもない考えを述べた後で非常に恐縮なのですが、更に話を中国に移してみたいと思います。

 実を言うと、なんと中国では正式に「10大ラーメン」が決められているんです!

 2013年に中国商務部と中国飯店協会が「中国十大面条」を決めたもので、商務部と言えば日本で言えば経産省ですから、まさに国として正式に認定されたものと言えます。こんなところにも共産主義国家の中国を感じますね。

 前置きが長くなってしまいました。早速「中国十大面条」を紹介して行きたいと思います!
 まず、第十位から第六位までまとめてどうぞ!


吉林延吉冷面、河南烩面、镇江锅盖面、昆山奥灶面、杭州片儿川

これら5つのご当地ラーメンが選ばれました!

 

。。。って「知ってる、知ってる」という方、いらっしゃいます??

私は、と言われれば十大面条を知る前から知っていたのは、河南烩面と吉林延吉冷面の2つのみで、他は初耳でした。

(しかも吉林延吉冷面の方は韓国冷麺としてですけどね^_^)

中国に住んでいる私ですらこんな状態なので、おそらく多くの方がもっと「???」かと思います!
このラインナップを見たら何だか雲をつかむ様な話に思えてきたので、それぞれの地理的背景から紹介して行きたいと思います。まずは下の中国全体地図をご覧ください。

 

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北から行きます。

まず一番北は吉林省吉林延吉冷面」ですね。吉林省は中国の中で東北3省(ほかに黒竜江省遼寧省)の一つに数えられ、地理的に寒い地域になります。また、地理的に朝鮮半島に近い事もあり、少数民族である朝鮮族が多く住む地域でもあります。私が冷麺というものを食べたのは韓国ですが、ほぼ同じ料理である「冷麺」が中国十大面条にもランクインです。冷麺といえば日本にも「盛岡冷麺」がありますし、意外に国際的な料理である事に驚きでした。

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 続いて河南省まで南下し「河南烩面」です。河南省鄭州市が省都で人口約9000万人の大きな省です。非常に歴史のある地域で、かつて周や隋などの時代に都がおかれた古都洛陽や、宋の都開封などを擁する、歴史的に極めて重要な地域です。また、少林寺がある事でも有名な地域です。

 「河南烩面」は強力粉をこねて作る弾力のあるきしめんのような幅広面が特徴で、豚骨ならぬ羊の骨を煮込んで白濁させたスープとのコンビネーションが特徴の麺です。私はまだ未食ですが、古くから栄えた古都で培われたラーメンがどの様な味なのか、いつか体験してみたいと思います。

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 次は江蘇省に移り、「镇江锅盖面」の紹介です。

 江蘇省は人口約8000万人で南京市が省都です。中国経済の中心都市・上海の北西に広がる形で経済的にも繁栄した省で、「東洋のベニス」とも呼ばれる水都・蘇州や、無錫旅情(by尾形大作)で有名な無錫など、日本人にも馴染みのある都市が多く、日系企業も多く進出するなど、経済的にも中国を牽引している地域の一つです。

 「镇江锅盖面」のご当地である鎮江は無錫と南京の中間に位置し、「鎮江黒酢」が中国全国的に有名な人口約300万人の街です。

(私は以前江蘇省に住んでいた事があるので、鎮江という街にはなじみがあったのですが、残念ながら「镇江锅盖面」については聞いたことがありませんでしたT_T。)

 「镇江锅盖面」はコシのある平打ち縮れ麺が特徴の麺のようで、コシのある麺好きの私としては、是非一度トライしてみたいラーメンですね。

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 続いて、同じ江蘇省昆山奥灶面の紹介です。

 昆山市は上海市と隣接する江蘇省でも一番東にある都市で、人口は約100万人と中国としてはこじんまりとした市です。上海からは高铁Gao1Tie3=中国版新幹線で20分余りで到着してしまうほど近く、東京近郊でいえば新横浜の様なイメージでとらえて頂くと分かり易いかと思います。

 その昆山のご当地ラーメンである昆山奥灶面ですが、ご覧の通りのストレート細麺で、見た目は東京醤油ラーメンなんかに似ているのですが、どうやら「青鱼Qing1Yu1」という川魚の身から鱗まで煮込んでだしを取るらしく、魚介出汁ラーメンも好みな私は結構興味あります。(「川魚」というところが少しチャレンジングですが笑)

 こちらも未体験なのでチャンスがあればトライしてみたいと思います。

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 さて、中国十大面条6位~10位の最南端を飾るのは、杭州片儿川です。

 杭州は、やはり上海市に隣接する浙江省省都で、人口約1000万人を誇る中国でも有数の都市で、観光資源としては「西湖」が非常に有名です。また、歴史的には宋王朝時代に靖康の変で北方の金に敗れ、首都開封を追われた北宋の高宗が南に逃れ、南宋として再建した際の都を「臨安」として杭州に置いた古都としても知られています。

 杭州片儿川ですが、「十大面条」という割に、その名前に面を表す文字が一切入っていない事が特徴的な料理です。その特徴はというと、どうやら豚赤身肉の細切り、筍、高菜を具とする事の様です。

 また、なぜ「片儿川」という変わった名前になったのか?という部分ですが、一説にはこのラーメンの具である豚肉や筍が細切りにされることから、杭州語で「細切り状」という言葉を当て字にした、という事らしいです。

 写真で見る限り麺は中太ストレート麺で、コシがあるかどうかが不明な点が気にかかりますが、やはり一度はトライしてみたい麺です。

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 さて、普段とは趣向を変えてお送りした中国十大面条巡りの旅(笑)、6位から10位はいかがでしたでしょうか?

 10種類全て紹介するにはボリュームが大きすぎるため今回はこれ位で一旦締めたいと思います。上位5種類のラーメンは次回のテーマとして改めて紹介させて頂きます。

To be continued...

1位から5位はこちら

知ってる?「中国10大ラーメン」 その② - 並んだり振り返ったり

 

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