並んだり振り返ったり

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知ってる?「中国10大ラーメン」 その②

 今回は「中国十大面条」紹介の第二回目です。その①でも記載した通り、この10大ラーメンは中国商務部といういわば経産省が決めたランキングで、国が決めた公式ランキングなのです。

 前回の知ってる?「中国10大ラーメン」その① - 並んだり振り返ったりでは、10位から6位までの5つのご当地ラーメンを紹介しました。ちなみにその5つとは、吉林延吉冷面、河南烩面、镇江锅盖面、昆山奥灶面、杭州片儿川でしたよね。中国に住んでいる私でも初めて聞くようなラーメンが中国にはいくつもあるんだなぁと、ちょっとした驚きでした。

 

という事で、いよいよ「中国十大面条」のベスト5の紹介をします。

 

 ベスト5の中でもベスト3とそれ以外に分けられており、結構細かい分類がなされています。それでは一気に発表しましょう!

北京炸酱面、山西刀削面、武汉热干面、兰州拉面、四川担担面がベスト5です。

その中で、北京炸酱面、山西刀削面、武汉热干面がベスト3になります!

 前回の10位から6位までの時と異なり、私は「初耳」というご当地ラーメンは見当たりませんでした。いずれもさすが上位に食い込むラーメンだけの事はあります。

 それでは前回同様に地理的なところから紹介していきましょう!

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  上の地図では前回紹介した6位~10位のラーメンも併記しているので、これを見れば「中国十大面条」の地理的関係が一目瞭然ですね。

 

 それでは、前回同様北から順番に紹介していきたいと思います。

まずは北京の北京炸酱面から行きましょう!

 北京は上海と並び日本人に最も馴染みのある中国の都市といえます。人口14億人を擁する中華人民共和国の首都であり、人口2000万人を超える巨大都市です。

 そんな北京のご当地ラーメン、炸酱面は日本でも「ジャージャー麺」と呼ばれ浸透していますよね。また、韓国でも「チャジャンミョン」と呼ばれる韓国式炸酱面があり、これは日本のジャージャー麺よりも浸透しています。炸酱面は東アジアでとてもポピュラーな麺料理と言えます。

 写真の通り、麺の上にきゅうりなどの野菜が乗せられ、肉味噌をかけ混ぜ合わせて食べるまぜそばタイプのご当地ラーメンです。

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 それでは少し南下し、シルクロード方面に西進したところにある甘粛省省都である蘭州のご当地ラーメン、兰州拉面(蘭州拉麺を紹介します。

 甘粛省は中国内陸に位置する自然豊かな省で、シルクロードで有名な敦煌もこの省にあります。兰州拉面の特徴は、一清二白三红四绿五黄という言葉で5つの色で端的に表現され、清=透き通ったスープ、白=白い大根、红=赤いラー油、绿=緑の葱とパクチー、黄=黄色い麺を表しています。ラーメンとしてはこの淡麗スープと、コシのある手打ちの中太麺が魅力の真っ直ぐな美味しさが魅力のラーメンです。

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 それでは甘粛省から東に戻り、山西省のご当地ラーメンである山西刀削面の紹介です。山西刀削面は、人口約3700万人、太原を省都とする山西省のご当地ラーメンです。山西省は日本人にとってはあまり馴染みのない省だと思いますが、中国最古の王朝と言われる夏王朝が存在したとされ、歴史的にも大変重要な地域です。山西刀削面は、その名の通り麺を包丁で削ぎ落とす独特の製法で日本でも人気を博していますよね。こうして作られる麺の独特の食感が魅力のご当地ラーメンです。

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 さて、再び内陸に向かい「麻婆豆腐」でも有名な四川省に話を移しましょう。四川省のご当地ラーメンは、こちらも日本での知名度がとても高い四川坦々面です。四川省は1世紀前半の三国志の時代、劉備玄徳や諸葛亮孔明などで有名な蜀の本拠地だった事で有名です。ラー油や胡麻ペースト、山椒を使用し、濃厚かつ刺激的に仕上げたラーメンに肉味噌が載るスタイルは、既に日本人にも多く受け入れられていますね。なお、日本ではスープのある形で提供されるのが一般的ですが、本場四川ではどちらかと言えば汁無し状態、いわばまぜそば状が主流です。病みつきになるこのラーメン、私も大好きです。

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 最後はコロナウイルスの影響で今年一気に知名度が上がってしまった武漢のご当地ラーメン、武汉热干面(武漢熱干麺)の紹介です。恐らくベスト5の中では最も日本人には馴染みが薄いご当地ラーメンではないでしょうか?

 武漢アヘン戦争をきっかけにイギリスが租界を置いた事を皮切りに、日本を含む列強の租界地が置かれた歴史を持つ都市です。事実上の占領を受けた反面、そのおかげで他の地区より発展した側面もあるのですが、この歴史とは切っても切れない都市と言えます。私も何回か訪問したことがありますが、この武汉热干面は、武漢市民に大変人気があり、朝食にはかなりの割合で地元の人々がこぞってこの面を食べていたのが印象的でした。


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これが現地で私が食べた热干面です。こんな風に紙の容器で提供されるのですが…


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ご覧の通り立ったまま、また歩きながら皆さん食べていますね。若い女性でも同様に通勤途中に歩きながら食べていたのが印象的でした。

 

この武汉热干面はラー油や胡麻ペーストを使用していますので先ほど紹介した四川担担面と見た目が似ています。実際味も近い部分があるのですが、胡麻ペーストの味が強く、坦々麺に比べるとかなりこってりまったりした味わいに仕上がっています。担担面の辛味噌味に対し、热干面は濃厚な胡麻が主張した味です。

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 2回に渡って紹介して参りました、中国十大面条、いかがでしたでしょうか?2回目の今回は上位5種類ということで、私たち日本人にも馴染みのあるご当地ラーメンが大半でしたね。

 実は、個人的には納得出来ない部分が無いではなく、わたくし一押しの広東云吞面がランクインしていないのです!江蘇省の麺が2つランクインしていたりと、少し政治的な力が働いていた香りも致しますが、ここは大人の対応といたしましょう。ランクインしたものの中には兰州拉面の様にこのブログでも既に紹介済みのラーメンもありますが、私は未食のものも多かったので、是非試してみたいと考えています。

 それでは今回はこの辺で、お読み頂きありがとうございました。

 

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