並んだり振り返ったり

中国・広州からラーメン、グルメレビューや一人暮らし料理のレシピなどの発信。

ラーメンレビュー(広東式魚介ラーメン) 劉福記(広州)

美味しさ :★★★★

値段 :★★★★

清潔感 :★★★☆

サービス :★★★☆

総合評価 :★★★★

 

今回は広州地下鉄6号線の北京路から徒歩5-6分に位置する「劉福記」をレビューします。今回利用した駅の名前の由来となった「北京路」ですが、この付近は広州市の古くからの繁華街であり、「北京路歩行街」という歩行者天国など、今でも賑わいのある地区です。それでは向かいましょう。

 

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店に到着しました。外に面した厨房、オープンな入り口は伝統的・庶民的な雰囲気が満載で好感が持てます。厨房のガラスには看板メニューが3つ紹介されていますね。看板メニューのチェックは大事なのでよく見て見ましょう。「招牌四色粉」「炸酱捞面」「爽滑猪肠面」。このうち、「炸酱捞面」は肉味噌ラーメンで、いわゆるジャージャー麺、「爽滑猪肠面」は豚モツラーメンの様です。では、一番大きく紹介されている「招牌四色粉」とは何でしょうか?粉というからには米粉でできたライスヌードルというのは分かるのですが、写真を見る限りその上にたくさん具が乗っています。おそらく4種類の具が乗ったライスヌードルかな?などと考えながら店に入ります。


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 店を入ってすぐ右側のメニューを確認します。

 やはりメニューそのものに「招牌」=看板、と銘打っている「招牌四色面/粉」が左上に来ていますね。初めての店では左上のメニュー注文が鉄則ですので、迷わずこれを選ぶことにします。でも少し迷った点があります。

 この店では面=小麦粉の麺、粉=米粉の麺、両方とも出す様ですが、メニュー上では面=小麦粉の面が先に書かれており、標準メニューの扱いになっています。一方で先程の店頭の看板メニュー紹介によると「招牌四色粉」が紹介されていました。どちらにすべきか迷いましたが、やはり店頭で広く謳っているメニューを食べるべきと思い、ライスヌードルの「招牌四色粉」13元を注文します。


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店内の様子です。6〜7分の入りといったところでしょうか?居心地としてはこれくらいが丁度良いです。


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壁にも「招牌四色粉」の写真が飾られています。よっぽど自信があるのでしょうね?期待が膨らみます!


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調味料チェックをします。ラー油と酢と醤油、いたってシンプルです。


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ラー油はこんな感じ。かなり濃厚で黒いです。期待出来る外見ですね(笑)。


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3分ほどで料理が運ばれて来ました。

ほーこれは、初めて体験する感覚です。「四色」の名前の通り、4種類の具が見られますね。まず一目で判別できるのは魚の皮ですね。恐らくこれは魚の皮を揚げたものでしょうか?それと白い球状のもの、黒い球状のもの、あとは正体不明のしわしわのもの(笑)!食べながら確認して見ましょう。


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まず、麺を確認します。

中国では良くお目見えする米粉を使ったライスヌードルです。ベトナムのフォーなどとほぼ同じものです。

また、私はいつもこれを食べるたびに思い出すのは「きしめん」です(笑)。形状が近いせいか結構食感がにているんですよねぇ。

私は個人的には小麦粉を使用した麺の方が味や食感の点から好きなのですが、このさっぱりした食感はたまに無性に食べたくなる時があります。

因みにこの店の「粉Fen3」は少し太めに作られており、今日の気分も相まってかなり美味しいライスヌードルだと感じました。


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次に黒い球体を食べて見ます。色合い的にはつみれか肉団子か?という感じですが


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これは肉団子、恐らく牛肉の団子=牛丸Niu2Wan2ですね。コクがあって美味しいです。


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続いて白い球体も頂きます。


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ああ、これは魚のすり身の様ですね。広東地方では鱼蛋と呼ばれるものです。ちなみに鱼蛋Yu2Dan4とは「魚の卵」という意味なので、はじめは「たらこ」の様なものを想像してしまったのですが(笑)、実際には魚のすり身の団子という事が分かり、何だか拍子抜けした様な記憶があります。


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さて、次に一番謎が多い「正体不明のしわしわのもの」に行きます(笑)。

見たところ、湯葉の様なものに何かが包まれているようですが・・。


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口にすると、うん、やはり外側は湯葉の様ですね。中身は何でしょうか?恐らく肉だと思いますが、魚の香りがする気もします。。あと、ネギの様なものも入っていますね。ちょっと完全に中身を判別出来ませんでしたが、美味しかったです!


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最後に魚の皮を頂きます。中国語でもその名の通り鱼皮Yu2pi2といい、魚の皮を揚げたものです。広州では結構魚の皮を料理して出されることも多く、どんなものでも美味しく食べる広東省の伝統を感じますよね。この魚の皮、臭みなど全く無く、パリッとして本当に美味しいです。


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と、具沢山のラーメンをここまで夢中で食べて来ましたが、もう残りも少なくなって来ています。この辺で先程チェックした、真っ黒で期待出来るラー油を試してみます。スープに入れるといい色を出してくれますねぇ。

また、スープをよくご覧いただくと少し脂が浮いているのがお分かりでしょうか?どこかで見覚えありませんか?そうなんです。日本の天ぷらそばのつゆが天ぷらの衣で旨みと甘みを増す様に、この麺も先程紹介した4種類の具のおかげで、いい具合に脂が染み出しコクと旨みが出て来ています。食べ始めの頃はあっさりスープと思って食べていましたが、現在は旨みたっぷりのコク旨スープに変貌を遂げています。この料理を注文して正解でした!


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そのコク旨になったスープにラー油を溶かして頂きます。お、やはり期待通りラー油がいい仕事をしてくれ、程よい刺激が心地よいですね。このスープが病み付きとなり、一気に完食です。

 

今回は、広東式魚介ラーメンとも言える「四色粉」を紹介致しました。

本文で述べた通り、通常はライスヌードルの「粉」ではなく、小麦粉の「面」を好んで食べる私ですが、今回は「粉」にして大正解でした。ライスヌードルにしたことで4種類の具とあっさりスープが織りなすコク旨スープが、あっさり食べられるライスヌードルにしっくり寄り添い、美味しいラーメンを完成させていました。

尚、「面」と「粉」の区別については、以前ラーメンレビュー(牛もつラーメン) 西関明記腸粉(広州) - 並んだり振り返ったりで触れていますので宜しければご覧下さい。

バランスの良い味わい、味の変化を楽しめ、さらに日本の天ぷらそば(しかも立ち食い)を少し思い起こさせてくれたこのライスヌードル、星4つ★★★★と致します。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

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