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中国・広州からラーメン、グルメレビューや一人暮らし料理のレシピなどの発信。

ラーメンレビュー(牛もつラーメン) 西関明記腸粉(広州)

美味しさ :★★★☆

値段 :★★★★★

清潔感 :★★★★

サービス :★★★

総合評価 :★★★☆

 

今回は広州地下鉄1号線の長寿路から歩いて約10分に位置する、西关明记肠粉Xi1Guan1Ming2Ji4Chang2Fen3という店をレビューします。

 

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間口が広くて開放的な入口ですね。丸い看板に一文字ずつ店名が書かれています。1981年創業と言いますから、もう40年近くも営業しているんですね。それだけで期待が持てます。

ちなみに店名にある西关Xi1Guan1(西関)とは広州の西端にある荔湾区Li4Wan1Qu1地域の旧称で、食在広東の象徴的存在でもある地域です。「老西关」などと言えば、伝統的な美食、というような意味を帯びる様で、特に牛杂Niu2Za2=牛もつが伝統的に有名なんだそうです。この店もまた、その名の通り牛もつを出してくれます。また、明记とは以前もこのブログで触れましたが、明さん印の、といった意味です。次の肠粉というのが、腸という文字から、もつとか内臓とかの意味に捉えてしまいがち(私もそう思っていました)ですがそうではなく、米粉で作る食べ物で、焼売や蒸し餃子などと並んで広東式の点心の主力選手の一人です。

 

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この肠粉も西关の名物で、老西关肠粉Lao3Xi1Guan1Chang2Fen3などと呼ばれています。

今回は肠粉では無く、牛もつの方ですね。牛三星汤河粉Niu2San1Xing1Tang1He2Fen3 15元を注文します。牛三星Niu2San1Xing1というのは、要するに牛もつの事で、このスープがこの辺りの名物で、そのスープに河粉という麺を合わせたものです。河粉He2Fen3については後ほど触れますね。それでは席につきます。(メニューを撮るタイミングを逃してしまいました。別の機会に撮って更新します。)


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店内も開放的で、ご覧の様に一部はオープンエアの様になっていますね。広州は既に真夏の暑さですが、涼しげな気分になり良いですねー。


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Tシャツがユニフォームになっている様ですね。店員さんの背中に店名が書いてあります。日本のラーメン屋でもそうですが、ユニフォームのある店は清潔度が高い傾向がある気がします。ちなみに手前の恐竜のTシャツのお兄さんは配達業の方です。日本でも宅配が増えたと聞いていますが、ここ広州でもコロナ禍の影響もあり街中配達のバイクと自転車で溢れかえり、歩いていると身の危険を感じるくらいです(笑)!


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店内には金色の賞状が2枚飾ってあります。両方とも「广州国际美食节=広州国際グルメフェスティバル」の賞状で、2015年と2017年にそれぞれ「广州十大金牌小吃(軽食)」に選ばれた様です。相当な有名店なんですね。


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調味料をチェックします。奥から酢、胡椒、チリソース?、辛味ペーストです。


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辛味ペーストはこんな感じ。チリソースらしきものは後で確認しましょう。


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5分ほどでラーメンが到着。おー、醤油ベースっぽいスープに牛もつがたっぷり入り、野菜もたっぷり。その上にパクチーがたっぷりのスタイルです。パクチー好きの私にはたまらんですなぁ!


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麺は平べったい形をしています。このメニューの名前でもある河粉He2Fen3というのは、米粉で出来た平べったい麺の事です。これはベトナムのフォーとほぼ同じものです。食べてみると、見た目によらずスープはかなりあっさり、でも唐辛子によるピリ辛が相当効いています。米粉の麺もスルッと入り、とても食べやすくいくらでも行けそうな、そんな印象です。

 少し話が複雑になりますが、私たち日本人の「麺」の定義と中国人の「面Mian4」の定義は大きく異なります。というのも、日本では、ラーメンや蕎麦の様に細長い食べ物をひっくるめて「麺」と呼びますよね?一方の中国では原料によって呼び方を変えています。

 即ち、小麦粉から作るものは「面」、米から作るものは「粉」と区別されているのです。更に日本とは異なり、形がどうあろうと「面」は「面」、「粉」は「粉」なんです。なので、ラーメンは「面条Mian4Tiao2」でパンは「面包Mian4Bao1」なのです。同じ様に今日注文した「河粉He2Fen3」はフォータイプの幅広の米粉麺で、腸の様な形をした点心を「肠粉Chang2Fen3」と呼ぶのです。

 因みに米粉原料の麺タイプにはもう一つ有名どころがあります。それは米粉Mi3Fen3です。日本ではビーフンと呼ばれますが、これは福建省南部の方言である閩南語や台湾語の発音が日本に伝わり常用する様になった様です。


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中の野菜を確認します。レタスの様な柔らかい物ですね。こちらで生菜Sheng1Cai4と呼ばれる野菜ですね。


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さあ牛もつに突入します。写真の様な、おそらくマメと呼ばれる腎臓の部分が多かった様です。次に多いのがレバーですね。いずれも柔らかくて美味いです。臭みも全く感じません。


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あら?今日はワンタン麺では無いので出会えないと思っていた大根漬物にもこんなところで会えました(笑)。


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さあ、正体不明だったチリソースらしきものの確認です。レンゲに少し取りスープと一緒に飲んでみます。うん、予想通り辛味ソースの様です。


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それじゃあこちらの辛味ペーストは??どう違うんだろう?こちらは豆板醤の様な豆が入っている様ですね。こちらの方がいろんな味がして好みなので、こちらを採用で決まり!でもどう使い分けるのか、結局分からず仕舞いでした。


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スープに辛味ペーストを溶かしてスパートかけます。

 

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終わりに近づいたところで、ハツや砂肝らしきものも発見!他に腸らしき物もありました。ようやく完食、満腹です!

 

総評 :ラーメンレビュー初の米粉で出来た麺のレビューでした。ベトナムのフォーもそうですが、米粉の麺はあっさりしてて食べ易いところが1番の長所だと思います。ガツンと来るインパクトは無いが、毎日行けちゃう心地よさ。そんな特徴を持つ麺は牛もつという主張が強い食材との相性は抜群だと感じました。スープは牛もつの旨味が出ていますが、脂っこいことは全く無く結構あっさりスープで楽しめました。究極のラーメン探求に疲れた時にフラッと寄ってしまいそうな、そんな魅力を感じました。星は3.5★★★☆で。

 

【総合採点の採点基準】

★★★★★ :強力に推薦。わざわざ訪れてでも食べて見るべき名店。

★★★★  :推薦。近くにいるなら必食です。

★★★   :普通に美味しい。他にも選択肢はあるが一度試す価値はあり。

★★    :今一歩。近くにいても他の選択肢を探すべき。

★     :レビュー掲載を見合わせます(笑)

尚、この採点は私個人の味覚によるもので、あくまで参考として下さい。

このレビューがきっかけとなり、みなさんの好きなラーメン探しの一助となる事が出来れば幸いです。

 

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