並んだり振り返ったり

中国・広州からラーメン、グルメレビューや一人暮らし料理のレシピなどの発信。

ラーメンレビュー(客家式まぜそば) 嘉応面粉厰(広州)

美味しさ :★★★★

値段 :★★★☆

清潔感 :★★★★☆

サービス :★★★☆

総合評価 :★★★★

 

今回は広州地下鉄3号線の林和西駅より徒歩7-8分に位置する嘉应面粉厂をレビューします。以前のラーメンレビュー 陳記三及第 棠石路385分店(広州) - 並んだり振り返ったりで初めて出会い感動した、広東省梅州のご当地ラーメン「腌面Yan1Mian4」を再びレビューします。腌面はおそらく日本では殆ど知られていないご当地ラーメンですが、このブログがきっかけで私は既にはまってしまっています(笑)!当初の目的は「広東ワンタン麺を極める!」という事でしたが、同じ広東省のご当地ラーメン「腌面」にも魅了されてしまいましたので、今後サブテーマとしてレギュラー出演させていく予定です!(ワンタン麺店ほど店の数がない様なので出来る限りですが)

腌面は広東省北部にある梅州という客家の町の名物で、日本で言えばまぜそばです。客家の事に関しては陳記三及第のレビューで触れていますのでよろしければご参照下さい。

ibird.hatenablog.jp

 

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地下鉄を降り、歩いて店にたどり着きました。店名の嘉应面粉厂(嘉応面粉厰)の下に英訳が書いてありますね。こうして頂けると日本人にも解りやすくて有難いです(笑)。「Jiaying Noodle FTY.」 嘉应Jiayingというのは地名で、この腌面の発祥の地、梅州市のかつての地名です。日本でも金沢を加賀と言ったり、鹿児島を薩摩と言ったり、そんなイメージで捉えるとわかりやすいです。また面粉と言うのは麺類の総称として使われていますね。以前ラーメンレビュー 西関明記腸粉(広州) - 並んだり振り返ったりでも触れた通り、中国では日本の概念とかなり異なっていて、小麦粉で作ったものを面、米から作ったものを粉と呼んで区別しています。その両方を併記することにより麺類全体を表しているのだと思います。また、厂 FTY.はFactoryの省略形で、「麺工房」のような語感を出そうとしているのでしょうか?


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客家伝統の味である事を前面に押し出しています。それでは中に入りましょう。


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 メニューを選びます。今日はメニューの中心にあった超值套餐Chao1Zhi2Tao4Can1=バリューセットを選択します。これは三品を選ぶ方式になっていますね。元々お目当てだった腌面(梅州式まぜそば)と三及第(クコの葉と豚ホルモンのスープ)は外せないので、肉沫腌面Rou4Mo4Yan1Mian4+状元三及第Zhuang4Yuan2San1Ji1Di2に蚝油生菜Hao2You2Sheng1Cai4を組み合わせます。

 スープである三及第の前についている言葉「状元」とは何でしょうか?それはそもそも三及第の名前の由来に関係があります。

 三及第って面白い名前のスープと思いましたが、これは隋の時代に始まった中国の官僚登用試験である科挙にて上位3名の事を総称して称えた言葉の様です。ちなみに1位が状元、2位は榜眼Bang1Yan2、3位が探花Tan4Hua1と呼ばれていたそうで、この主席の称号を冠することにより最上級の三及第という事を表現しているのでしょう。なお、このスープは豚の赤身肉、レバー、シロを煮込んで出汁を出したスープですが、この豚肉三部位を科挙の上位3名の称号になぞらえて命名された様です。

 


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注文を済ませて席に着きます。お昼時とあって満員です。この店は清潔感があるせいか女性比率が多い様ですね。


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調味料チェックをします。この店は調味料が各テーブルの上に置いてある一般的なスタイルではなく、店の一角にまとめて設置してあり、それを各々お皿に取っていくタイプですね。個人的にはテーブルに置いてある方が味があって好きですが、これはこれで合理的な方法と思います。


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左側から醤油、酢、塩、胡椒、にんにくペースト、辛味ペーストです。前回の陳家三及第と同じくにんにくペーストと辛味ペーストが両方置いてあります。どうやらこれが客家ラーメン屋のスタンダードの様ですね。


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両ペーストを小皿にとり席に戻ります。


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すると、5分ほどしてまずは三及第が到着です!このスープの特徴とも言える豚肉のアクはそのままですが(笑)、見るからに熱々で美味しそうです!


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スープを飲むと、おおおっ、予想通り熱々のスープで、火傷しない様に気をつけながら飲み込みます。すると五臓六腑に染み渡り、身体を癒してくれる様です。肉をすくい上げるとレバーやホルモンがたっぷり入っています。独特の歯応えを残して口の中に旨味が広がっていきます。



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その後数分して腌面が到着しました。早速冷めないうちに記念写真を撮ります。


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肉そぼろの量は結構多めですね。少しリッチ仕様の様です。


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よく混ぜ合わせたら、さあいよいよ麺を頂きます。麺はやはり腌面特有の中太でやや縮れのあるストレート麺です。食べると、そうそう、これこれ、これが食べたかったんです!前回の陳家三及第に比べると滑らかな喉越しが特徴です。やはり、美味しいですね、この麺は。また、ガーリックの香りが効いたタレも絶妙に麺に絡み味覚を刺激し続けてくれます。食べるたびに日本のまぜそばを思い出し、涙が出そうになります(笑)。


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ピンボケですみませんがクコの葉を頂きます。このクコの葉がパンチのある掩面との相性抜群で、爽やかな口直しをさせてくれます。クコの葉って本来苦い葉っぱだと思いますが、うまく調理しているなぁと感心してしまいます。


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さあ、ニンニクペーストを投入、味変に入ります。このラーメンはとにかくニンニクが良く合う仕様になっており、刺激と旨みが更に増します。


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中から大量の豚ホルモンが出てきました。なんかやきとんを思い出すなぁ。。


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サイドメニューの生菜もしっかり頂きます。こういう昼食でも野菜がふんだんに採れるというのは、単身の身としては大変ありがたいです。


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今回はまぜそば+ホルモンスープ+野菜と豪華なラインアップでしたが、最後辛味ペーストを投入して一気に完食しました。ごちそうさまでした!

 

総評 :このブログを通じて巡り会えた、広東梅州のご当地ラーメン「腌面」に再び巡り会う事が出来大変嬉しいです!生まれて2度目の掩面ですが、この店もコシがある非常にクオリティの高い麺を提供しています。初めて食べた陳記三及第と比較するとコシはやや抑えめで、しなやかな喉越しが楽しめる麺に仕上がっていました。また、相棒の三及第の味付けも、シンプルながら旨みたっぷりのスープを堪能させて頂きました。ありがとうございました!

腌面は私にとってどストライクのメニューだけにこれからも頑張って開拓して行きたいと思います。今回も高得点の星4つ★★★★とします。

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