並んだり振り返ったり

中国・広州からラーメン、グルメレビューや一人暮らし料理のレシピなどの発信。

ラーメンレビュー(客家式まぜそば) 嘉応面粉厰(広州)

美味しさ :★★★★

値段 :★★★☆

清潔感 :★★★★☆

サービス :★★★☆

総合評価 :★★★★

 

今回は広州地下鉄3号線の林和西駅より徒歩7-8分に位置する嘉应面粉厂をレビューします。以前のラーメンレビュー 陳記三及第 棠石路385分店(広州) - 並んだり振り返ったりで初めて出会い感動した、広東省梅州のご当地ラーメン「腌面Yan1Mian4」を再びレビューします。腌面はおそらく日本では殆ど知られていないご当地ラーメンですが、このブログがきっかけで私は既にはまってしまっています(笑)!当初の目的は「広東ワンタン麺を極める!」という事でしたが、同じ広東省のご当地ラーメン「腌面」にも魅了されてしまいましたので、今後サブテーマとしてレギュラー出演させていく予定です!(ワンタン麺店ほど店の数がない様なので出来る限りですが)

腌面は広東省北部にある梅州という客家の町の名物で、日本で言えばまぜそばです。客家の事に関しては陳記三及第のレビューで触れていますのでよろしければご参照下さい。

ibird.hatenablog.jp

 

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地下鉄を降り、歩いて店にたどり着きました。店名の嘉应面粉厂(嘉応面粉厰)の下に英訳が書いてありますね。こうして頂けると日本人にも解りやすくて有難いです(笑)。「Jiaying Noodle FTY.」 嘉应Jiayingというのは地名で、この腌面の発祥の地、梅州市のかつての地名です。日本でも金沢を加賀と言ったり、鹿児島を薩摩と言ったり、そんなイメージで捉えるとわかりやすいです。また面粉と言うのは麺類の総称として使われていますね。以前ラーメンレビュー 西関明記腸粉(広州) - 並んだり振り返ったりでも触れた通り、中国では日本の概念とかなり異なっていて、小麦粉で作ったものを面、米から作ったものを粉と呼んで区別しています。その両方を併記することにより麺類全体を表しているのだと思います。また、厂 FTY.はFactoryの省略形で、「麺工房」のような語感を出そうとしているのでしょうか?


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客家伝統の味である事を前面に押し出しています。それでは中に入りましょう。


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 メニューを選びます。今日はメニューの中心にあった超值套餐Chao1Zhi2Tao4Can1=バリューセットを選択します。これは三品を選ぶ方式になっていますね。元々お目当てだった腌面(梅州式まぜそば)と三及第(クコの葉と豚ホルモンのスープ)は外せないので、肉沫腌面Rou4Mo4Yan1Mian4+状元三及第Zhuang4Yuan2San1Ji1Di2に蚝油生菜Hao2You2Sheng1Cai4を組み合わせます。

 スープである三及第の前についている言葉「状元」とは何でしょうか?それはそもそも三及第の名前の由来に関係があります。

 三及第って面白い名前のスープと思いましたが、これは隋の時代に始まった中国の官僚登用試験である科挙にて上位3名の事を総称して称えた言葉の様です。ちなみに1位が状元、2位は榜眼Bang1Yan2、3位が探花Tan4Hua1と呼ばれていたそうで、この主席の称号を冠することにより最上級の三及第という事を表現しているのでしょう。なお、このスープは豚の赤身肉、レバー、シロを煮込んで出汁を出したスープですが、この豚肉三部位を科挙の上位3名の称号になぞらえて命名された様です。

 


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注文を済ませて席に着きます。お昼時とあって満員です。この店は清潔感があるせいか女性比率が多い様ですね。


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調味料チェックをします。この店は調味料が各テーブルの上に置いてある一般的なスタイルではなく、店の一角にまとめて設置してあり、それを各々お皿に取っていくタイプですね。個人的にはテーブルに置いてある方が味があって好きですが、これはこれで合理的な方法と思います。


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左側から醤油、酢、塩、胡椒、にんにくペースト、辛味ペーストです。前回の陳家三及第と同じくにんにくペーストと辛味ペーストが両方置いてあります。どうやらこれが客家ラーメン屋のスタンダードの様ですね。


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両ペーストを小皿にとり席に戻ります。


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すると、5分ほどしてまずは三及第が到着です!このスープの特徴とも言える豚肉のアクはそのままですが(笑)、見るからに熱々で美味しそうです!


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スープを飲むと、おおおっ、予想通り熱々のスープで、火傷しない様に気をつけながら飲み込みます。すると五臓六腑に染み渡り、身体を癒してくれる様です。肉をすくい上げるとレバーやホルモンがたっぷり入っています。独特の歯応えを残して口の中に旨味が広がっていきます。



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その後数分して腌面が到着しました。早速冷めないうちに記念写真を撮ります。


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肉そぼろの量は結構多めですね。少しリッチ仕様の様です。


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よく混ぜ合わせたら、さあいよいよ麺を頂きます。麺はやはり腌面特有の中太でやや縮れのあるストレート麺です。食べると、そうそう、これこれ、これが食べたかったんです!前回の陳家三及第に比べると滑らかな喉越しが特徴です。やはり、美味しいですね、この麺は。また、ガーリックの香りが効いたタレも絶妙に麺に絡み味覚を刺激し続けてくれます。食べるたびに日本のまぜそばを思い出し、涙が出そうになります(笑)。


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ピンボケですみませんがクコの葉を頂きます。このクコの葉がパンチのある掩面との相性抜群で、爽やかな口直しをさせてくれます。クコの葉って本来苦い葉っぱだと思いますが、うまく調理しているなぁと感心してしまいます。


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さあ、ニンニクペーストを投入、味変に入ります。このラーメンはとにかくニンニクが良く合う仕様になっており、刺激と旨みが更に増します。


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中から大量の豚ホルモンが出てきました。なんかやきとんを思い出すなぁ。。


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サイドメニューの生菜もしっかり頂きます。こういう昼食でも野菜がふんだんに採れるというのは、単身の身としては大変ありがたいです。


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今回はまぜそば+ホルモンスープ+野菜と豪華なラインアップでしたが、最後辛味ペーストを投入して一気に完食しました。ごちそうさまでした!

 

総評 :このブログを通じて巡り会えた、広東梅州のご当地ラーメン「腌面」に再び巡り会う事が出来大変嬉しいです!生まれて2度目の掩面ですが、この店もコシがある非常にクオリティの高い麺を提供しています。初めて食べた陳記三及第と比較するとコシはやや抑えめで、しなやかな喉越しが楽しめる麺に仕上がっていました。また、相棒の三及第の味付けも、シンプルながら旨みたっぷりのスープを堪能させて頂きました。ありがとうございました!

腌面は私にとってどストライクのメニューだけにこれからも頑張って開拓して行きたいと思います。今回も高得点の星4つ★★★★とします。

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ラーメンレビュー(ワンタン麺) 常平竹昇面

美味しさ :★★★

値段 :★★★★

清潔感 :★★★★

サービス :★★★

総合評価 :★★★☆

 

今回は広州地下鉄3号線の石牌橋駅から徒歩3分に位置する、常平竹升面Chang2Ping2Zhu3Sheng1Mian4をレビューします。常平とは、広州に隣接する東莞市東部にある地名で、この店はこの地で創業した竹升面のチェーン店の様ですね。

 

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赤字の大きな看板が印象的ですね。看板の右上に「食神蔡润推荐品牌」とあります。蔡润Cai4Run4とは人名で、食神と枕詞が付いていますのでグルメ王の様な人だと思われます(残念ながら私は存じ上げませんが)。推荐Tui1Jian4は推薦、品牌Pin3Pai2はブランドの意味なので「グルメ王の蔡潤さんが推薦するブランド」と、有名人による権威付けによりブランド価値向上を図っています。


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店の入り口には「大众点评 必吃榜 上榜品牌Da4Zhong4Dian3Ping2 Bi4Chi1Bang3 Shang4Bang3Pin3Pai2」と記載のある看板があります。以前、ラーメンレビュー 家和麺館(上海) - 並んだり振り返ったりの時も書きましたが、大众点评=大衆点評とはちょうど中国版「食べログ」であり、必吃榜=必食ランキングですので、日本で言うなら「食べログの必食ランキングにランクインしたブランド」という事で、これは期待できます!また、その下にある大きな文字は、グルメ王の蔡潤さん直筆と思われる文字で、「掂Dian1」という文字が書かれています。掂は初めて見るので、意味を調べると「量る」という意味との事。「量る」って??と思い結構悩んだ末、あっ、ここは広東省だと思い出し、広東語での意味を調べると、なるほど「優れている」という意味だそうで、お店を称賛する言葉の様です。日本でも有名人のサイン付きで「美味しかったです!」なんて書いてある事がありますが、そんなノリなんだと思います。

前置きが長くなってしまいましたが、早速店に入りましょう!

 

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壁の上の方に掲示されているメニューを眺めます。ここはやはり真ん中に鎮座している「鲜虾云吞面Xian1Xia1Yun2Tun1Mian4」を頼まない訳には行かないですね!


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さあ、調味料チェックです。「あれ?注文は?」と思われた方、どうもありがとうございます(笑)。上の写真の左上の端っこの部分にQRコードが写っていますよね?この店はこのコードを読み取る事でスマホから注文が出来るのです!!今回はこの仕組みを利用して注文を済ませました。最近中国ではこのシステムのお店も増えています。QRコードを発明したのは、自動車部品メーカー最大手デンソーの原さんという日本人なのですが、Alipayなどの決済システムといい、QRコードの活用という意味では中国に2歩も3歩も先を行かれている印象です。まぁ、便利さと背中合わせにリスクは必ず存在するので便利な事が良いことばかりでは無い(私は日本の現金主義が好きです)とは思いますが、こんな時思わず「がんばれニッポン!」と叫びたくなってしまいます。

 なお、調味料は奥からラー油、胡椒、辛味ペースト、醤油、酢です。大根漬物は無い様ですが、ラー油と辛味ペーストが両方味わえるとはすばらしいですね!

 

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辛味ペーストとラー油はこんな感じ。


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ここの箸はパステル調でカラフルです。


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店内はお昼時とあって満員です。女性比率が高いですね。清潔感のある店内のせいでしょうか?


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壁に竹升面を作る工程につき写真入りで説明が掲示されています。ちなみに竹升って何だと思いますか?実は広東語で竹竿の事らしく、竹竿を使って麺を伸ばすところからこの名前がついたそうです。


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さて、7-8分待ってラーメンの登場です!この店は広東ワンタン麺のスタンダードとも言える、麺の下にワンタンが隠れているタイプ(少し端が見えちゃってますが)です。このタイプ、何だか風格を感じて好きなんですよね。能ある鷹は爪を隠す、とでも言いましょうか。


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さて、生まれて初めてピンクの箸でラーメンを食べる気がします(笑)。スープは標準的な淡麗スープで、わずかに甘みが強めの感触です。麺はご覧の通り、やや縮れのある極細麺です。一般的に竹升面はそうめんと同様に、細ければ細いほど良しとされますが、この店の面は特に細い部類に入りますね。麺を食べると、ああ、細い上に硬めの仕上げですね!私は通常ラーメンの麺は硬いのが好みですが、少し硬すぎるかな?といった印象でした。もう少ししなやかさが欲しいところです。


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ワンタンは大ぶりのものが5つ入る豪華版です。

 

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食べてみると、肉と海老がたっぷり入って美味しいワンタンですね。欲を言えば海老はもう少し大ぶりの方が歯応えを感じられて良かったと思いました。


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1/3位食べたところで味変に入ります。辛味ペーストもありましたが、私はやはりラー油を選択します。うん、良い刺激が加わりました!


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肉と海老満載のワンタンを楽しみつつ、ラー油の刺激と共に感触です。ごちそうさまでした!

 

総評 :食神の蔡潤さんのお墨付き、更にグルメサイト大衆点評の上位ランクインという事で期待が高すぎたかも知れませんが、普通に美味しいワンタン麺、というのが私の印象です。超極細麺や大ぶりのワンタンなど、素材が良いだけにもう少し丁寧に美味しさを追求すればかなり凄いワンタン麺になると思えるラーメンでした。ひょっとしたらお昼時の繁忙時間帯だった、とか作り手によるばらつき、とかの原因もあったかもしれませんので、再訪して確かめてみたいと思います。あと、やはり口直しに大根漬物は欲しかったですね!少し辛めの総評になってしまいましたが、もっと良くなる期待を込めさせて頂きました。総合評価は星3.5★★★☆とします。

 

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おにぎりレシピ おかかバター醤油

 今回はコロナ禍をきっかけに私がほぼ毎朝作って会社に持参する様になったおにぎりがテーマの第2回目です。

 おにぎりに関しては以前、下記の「おにぎりとコンビニ」の記事でも触れさせて頂いたので良かったらご覧下さい。

 

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 私の場合、平日の昼食については仕事がら国内外から来客もある関係もあり、毎日外食が当たり前でした。それがコロナ禍をきっかけに一変してしまった事は前回のおにぎりレシピ ツナマヨ - 並んだり振り返ったりでも触れた通りです。

 

 外食が出来なくなった状況下、日本人の同僚は外卖Wai4Mai4という持ち帰りやデリバリーを利用していましたが、私は実用性一本槍の素っ気無い容器に入って配達されるデリバリー食が好きになれませんでした。

 そんな時、元々自分が大のおにぎり好き、特に時間が経って冷や飯になったおにぎりが大好きで、日本でも結構平日の昼食にコンビニおにぎりを食べていた事を思い出しましたが、中国のコンビニおにぎりは日本に比べるとやはりクオリティが劣ります。そこで、自分で日本のコンビニおにぎりを目指すべく、自作おにぎり持参を開始する事に決定しました。

 それ以来日本のコンビニおにぎりの美味しさを目指し、お米と具にはこだわりつつ、平日はほぼ毎朝おにぎりを作るのが日課かつ楽しみになりました。そんな流れで作ったおにぎりの具をいくつか紹介させて頂きます。レシピというにはかなり簡単過ぎるので恐縮ですが、「おにぎりレシピ」と呼ばせて頂きます。

 今回は今も昔も変わらない定番、おかかにバター醤油で味に彩りを添えた「おかかバター醤油」を紹介します!

 おにぎりの大定番・おかかですが、実を言うと私は子供の頃から余り魅力を感じていませんでした(おかかファンの方、ごめんなさい)。一方でここ中国では鰹節は現地で手に入る貴重な和風食材です。毎日のおにぎりのレギュラーメンバーに加わって欲しくて一捻り加えてみました。結果は大成功!おかかの味に華が加わり大好きな味に仕上がりました。分量は目分量のため(笑)適量ばかりになってしまって申し訳ありませんが、写真も参考にしてお好きなバランスで作ってみて下さい。

 

メニュー名 :おかかバター醤油

調理時間 :10分

材料 :

おかか ひとつまみ

醤油 適量(お好みで調整)

バター 適量(5g程度)

胡麻 適量

 

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ラップを広げ、鰹節ひとつまみに胡麻適量、バター適量を加える。


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鰹節に醤油適量を加え馴染ませる。普通のおかかよりも胡麻とバター分だけ少し濃い目にするといいと思います。


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鰹節と醤油が馴染んだら全体によくかき混ぜる。バターは全部溶けていないくても熱々のご飯を入れれば溶けるので問題無いです。


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熱々のご飯を乗せ具がまんべんなく行きわたる様によく混ぜる。


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ラップのまま好きな形に握って出来上がり!

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さあお昼になりました。

ラップから取り出し、一緒に持参したパリパリ海苔に巻いて頂きます!

 

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バターの甘味がおかかの旨みと香りを引き立て、クセになる味わいです。胡麻の味わいもポイントですよ。朝忙しい時でも簡単な材料でさっと出来るおかかバター醤油、是非試してみて下さい!

To be continued.

 

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ラーメンレビュー(順徳魚麺) 郭胡魚面(仏山)

美味しさ :★★★☆

値段 :★★★

清潔感 :★★★★☆

サービス :★★★★☆

総合評価 :★★★★


今回は広州のお隣、仏山に足を伸ばしてみました。郭胡鱼面Guo2Hu2Yu2Mian4をレビューします。仏山広州市内から地下鉄で行ける程近いのですが、今回目指した順徳区という地区は、仏山市の中心部から相当南にあります。なので観光がてらにちょっと脚を伸ばしてというわけには行かず、路線バス乗り継ぎの一人修行旅となりました。太川さん、蛭子さんの辛さがよ〜く分かりました(笑)。

 

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店に到着。保利百合花園という大規模タワマン群の中に位置します。ちなみに、実際に行きたいと思われる方がいらっしゃらないとも限らない(?)ので、今回使用したルート、佛山祖庙からの乗継ルートをご案内しておきます。なお、中国で数字(路線番号)+路といえばバスの事です。

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利用交通機関:地下鉄広仏線→K807路→K335路→323路(4路線乗り継ぎ!)

所要時間:約2時間半!!

いや、初めは休日に仏山祖廟を観光がてらの軽い気持ちだったんです。距離も同じ市内だから知れてるだろうと。ところが調べて見ると結構果てしなく遠い。さてどうしようか?と一瞬考え、すぐに行くべし!と結論づけました。今回行かなければ2度と行けないかも知れない、せっかく得たチャンスは大切にしようと。でも途中で後悔の念が湧いて来そうになるのを何度も抑え、乗り継いでようやく辿り着きました。もう夕方です泣!

 

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気を取り直すためにまずは仏山祖廟の写真です。これは孔子廟ですね。


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さて、ラーメンレビューに戻ります。入口の扉を開け、調理場にいた女主人に「良いですか?」と聞くと、「お食事ですか?」と聞かれたので「はい」と答えると「お好きなところへどうぞ」と言われテーブル席へ。今回は午後4時という一番中途半端な時間だったため当然先客はなし。店内は完全冷房で清潔な雰囲気。写真からも清潔感が漂ってきますね。


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朝食の後何も食べていなかったため空腹で、肉入りにも惹かれましたが、ここはやはり招牌Zhao1Pai2=名物と記載のある「郭胡鲜虾鱼包鱼面Guo1Hu2Xian1Xia1Yu2Bao1Yu2Mian4」を注文します。ところで鱼面Yu2Mian4とは何だと思いますか?実は小麦粉の代わりに魚のすり身を使用して麺を打った仏山順徳の珍しいご当地麺なんです。メニューに作り方が書いてありますね。「上質の鲮鱼Ling2Yu2(川魚の一種)のすり身を100%使用し、数十にも上る工程を経ることで、滑らかで弾力がある、美味しく栄養満点の魚面が作られます」こんな説明書かれたら期待するなというのは無理ってもんです。初めての体験に期待が高まります!


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調味料チェック。左奥は塩、右奥が酢、左手間が白胡椒、その右が爪楊枝で一番手前の大きいのが辛味ペーストです。


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白胡椒はホールスパイス状でペッパーミルに入っている本格派ですね。こだわりを感じます。


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辛味ペーストはこんな感じ。かなり特徴的な黒っぽい色が攻撃的な味を連想させます。ここにもこだわりが感じられますね。


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そうこうするうちに5分ほどでラーメンが到着。上から見る限り白いスープの上に海老団子と海藻、ねぎ?、コーンが載っており、その上にパクチー胡麻が掛かっている様ですね。うん、美味しそうです。


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さあ、これが噂の魚面です!小麦粉では無く魚のすり身を使用しているためか、色は少し灰色がかっており、結構表面に凹凸があります。これはスープとの絡みが良さそうに見えます。また、かなりの太麺なので食べ応えが有りそうです。さあ、頂きます!

スープは魚の出汁が効いたあっさりスープですね、美味しいです。

肝心の麺に進みます。おー、見た目通り太麺で弾力があり食べ応えがあります。また、噛み締める度に魚の香りが口の中に広がり、文字通り体験した事の無い美味しさです!はるばる順徳まで来た甲斐があったな〜。


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エビ団子です。これの作り方もメニューに書いてありましたね。「鲮鱼Ling2Yu2のすり身を厚み約1mmになるまで薄く伸ばして薄皮を作り、その中に上質な海老を使用した海老のすり身を入れて作られた海老団子です」との説明。海老のすり身と魚のすり身を混ぜて作らずにわざわざ魚のすり身を薄皮にするなんて、物凄いこだわりです。さあ、食べてみましょう。


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断面に海老が一杯です!中の海老率が高くて嬉しい断面です、これもいけます!


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キャベツや海藻がたっぷり入っていて栄養バランスも良好ですね。

 

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さあ、辛味ペーストで味変を試みます。女主人が麺をサーブしてくれた時、「うちの辛味ペーストは自家製なので是非お好みで味わってみて下さい」と言いながら小皿を持ってきてくれていたので、小皿に取ってみます。

うーん?これは??一体何が入っているのか、見当が付きません(食べても分かりませんでした笑)。いずれにせよ色合いが素晴らしく、見るからに美味しそうです。

 


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スープに溶かしてみます。うんうん!見た目通り深みのある味でこのペーストは美味しいです。元々があっさりスープなのでこれで刺激が加わり美味しくなり、味変成功です。ただ、相当激辛なので入れ過ぎ注意です!


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かなり豪華なタワマンが立ち並ぶ一帯に店はあります。椰子の木が南国っぽくていいですね。

 

総評 :食在広東のメッカとも言える仏山市順徳で、これまで体験したことが無いラーメンを体験する事が出来て感激です。魚肉で出来た麺というと蒲鉾?なんてイメージしてしまいますが、蒲鉾の食感とは完全に異なり、しっかりコシも弾力もある食感に魚の良い香りが香って来る、そんな麺でした。あっさりスープにも魚のダシが出ており、具の主役だったエビ団子と連携し、この希少な麺を盛り立てていました。またこのラーメンに出会える事を祈って星4★★★★とします。

 

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ラーメンレビュー(広東式まぜそば) 添仔伝統竹昇面(広州)

美味しさ :★★★

値段 :★★★★☆

清潔感 :★★★

サービス :★★★

総合評価 :訳ありでN/A(後日再評価予定)

 ※詳しくは記事をご参照頂ければ幸いです。

 

今回は広州地下鉄広仏線の燕岗駅から徒歩10分に位置する添仔伝統竹昇面をレビューします。広仏線とは広州市とお隣の仏山市を結ぶ地下鉄路線で、東京でいえば東京と千葉を結ぶ東西線や、東京と埼玉を結ぶ有楽町線の様な存在ですね。仏山から広州に通勤する人も多い様で、いつもたくさんの乗客を運んでいる路線です。


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今回は最寄りの燕岗Yan4Gang3ではなく、広州地下鉄2号線の江泰Jiang1Tai4駅から15分の道のりを歩いていきました。途中で写真の様な「广州青少年足球训练基地Guang3Zhou1Qing1Shao4Nian2Zu2Qiu2Xun4Lian4Ji4Di1」という立派な施設がありました。中国は国ぐるみでサッカーを育成している様ですね。訓練基地という発想が共産主義国家らしいなぁ、と感じます。


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猛暑の中、トコトコ歩いてようやく店に辿り着きました。撮影の時の角度が悪く看板全面を移す事が出来ませんでした、すみません。


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入り口を入ってすぐ右側のレジで注文をします。一番左上にある普通の云吞面や、「本店新品」というこのブログ定番の鲜虾蟹仔云吞面にも惹かれたのですが、今回は気分を変えたくなり、猪油捞面Zhu1You2Lao1Mian4 8元を選択。猪油とは豚の油という意味で、捞面とは汁無しラーメンの事です。日本の感覚的には簡易なまぜそばですが、豚の油と混ぜ合わせる事で非常にコクの出るメニューです。スープも付いては来るのですが、折角なのでワンタンも味わってみたい思い、净云吞Jing4Yun2Tun1(ワンタンスープ)10元も併せて注文しました。


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店内の様子です。今日は出足が遅くなってしまい既に午後1時半をまわっていますが、それなりに他のお客さんはいらっしゃいます。この店は、中国の一般的な飲食店がそうである様に午後2時で昼食の営業を終了するスタイルの様で、午後2時で一旦従業員の人々もお昼のお休みに入ります。そんな微妙な時間帯にもかかわらずお客さんの入りは5割くらいはありそうです。この店もやはり人気店の様です。


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大きく「禁煙」と書いた看板がありました。「违者罚款50元Wei2Zhe3Fa2Kuan3(違反したら罰金50元)」と記載があります。50元(約800円)というのが微妙な金額ですねぇ。500元くらいにした方が迫力がありそうに思うのですが。。


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席につきまず調味料チェックをします。左から醤油、箸を挟んでラー油、酢、大根漬物です。調味料としては標準的な広州のラインナップです。


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ラー油はこんな感じ。かなり粘度の高い印象です。


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大根漬物。人参や青唐辛子の色彩が存在感を出しています。

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5分ほどでラーメンが到着しました!捞面とスープのシンプルな組み合わせです。麺そのものはいつも食べている云吞面と同じ極細の竹升面です。麺の下に猪油が敷かれているのが見えますね。


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さあ、麺を頂きましょう。持ち上げると、軽く縮れのある極細麺で、この料理のポイントである猪油との相性も良さそうです!一口食べてみます。

。。。ん?ん?あれ? 味が?無い?

気のせいかと思いもう一口、やはり塩味がしない様です。豚の油は香っているのですが。。

事態が呑み込めず色々と考えます。

 猪油捞面って元々こんな料理?いやいや、以前他の店で食べた時はちゃんと醤油だれが入っていた。

 じゃあ、この店はこういうスタイルなのかも。「自分の好きなように醤油で味付け下さい」ってこと?うん、そうかもしれない、と思い至り先程写真に撮った卓上の醤油をかけようとしましたが、あれ?無いぞ!

 そうだったんです。もうすぐ午後2時なので午前の部の仕事はもうすぐ上がり!と思い嬉しくなった店員のおばちゃんが気が早い事に片づけてしまったのです!

 まてまて、いくら何でも醤油を片付けたってことは、やはり今日の猪油捞面は異常で、配膳する前にかけるべき醤油だれをかけ忘れたんじゃ??? と、もはや平常心を完全に失ってしまいました(笑)。


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そうこうしているうちにサイドメニューで注文したワンタンが出てきましたのでとりあえず記念撮影(笑)。このまま味が無いラーメンを食べるのは嫌だったので、撮影後、店員の若いおにいちゃんに話しかけます。

「这个捞面没有味道。酱油也没有!(この麺味が無いです。醤油も無いです。)」

そうするとおにいちゃんは「ああ」と言った素振りで慌てもせず醤油を持って来てくれました。


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 店員のおにいちゃんが少しも動じない様子だったので、きっとこの店はこういうスタイルなんだ、という事に一度決め、持って来てくれた醤油をかけて頂きます。元々猪油捞面のたれは醤油味なので、適量かけると豚の油の香りも引き立ち、とてもおいしいまぜそばが完成しました。(でも本当にこれであっているのかどうか、内心まだ半信半疑です笑)

 更に、一緒にワンタンも頂きました。肉がたっぷり詰まっておりボリュームたっぷりでしたが、「猪油捞面味が無い騒動」のせいでいろいろ思いめぐらせているうち動転して、なんとワンタンの写真は初めの記念撮影以外取り忘れてしまっていました(すみません!)。


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中盤に差し掛かりラー油で味変します。同時に大根漬物をサイドに置いて一緒に楽しみます。汁なしの麺だとこれが出来るのが嬉しいです。この店の大根漬物の塩梅も程よく、ラー油の刺激と相まって猪油の美味しさを引き立ててくれます。


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という事で完食です!

このブログでは、普段は基本的に完食後の食器の写真は掲載しておりません。そもそも食べ終わった食器は見苦しいため、ひとさまにお見せするべきではない、という考えのせいもあるのですが、私にとって食べ終わった後の余韻に浸る時間が非常に大事で、それを阻害したくない為、食べ終わった後はレビューの事を忘れる様にしている為です。

 しかし今回は「味がない」トラブルで一気に気が動転し、完全にペースを乱されてしまい、余韻も何も無い状態に陥ってしまいました。すると何だか、最後の決めのショットが無いとちゃんと終われる自信が無くなってしまったため、敢えてフィニッシュ写真を撮影しました(笑)。ついては、今回は完食写真を掲載する事をお許しください。

 

総評 :今回は誠に申し訳無い気持ちで一杯です。こういうのは「中国あるある」でもあるのですが、やはりこの状態でサーブされるのが正常なのかどうかきちんと確認すべきでした。けれど「味が無い、醤油も無い」状況に完全にやられ、気が動転してしまいました。コシのある麺、大振りのワンタン、共に美味しかった事は確かですが、自分で醤油をかけた行為が正しかったのかどうか、私の責任で不明のため、今日の総合評価は「N/A」とさせて頂きます。今日はこんな記事なのに最後までお読み頂きありがとうございました。後日必ずリベンジで再挑戦し、この店はそもそもこういうスタイルなのか、店員さんが忘れたのかを明らかにした上で最終評価を行いたいと思います(笑)!

 

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おつまみレシピ マッシュルームのガーリックグリル

 このブログでは、中国広州で単身赴任中のサラリーマンが、コロナ禍の影響で家族と離れ異国の地で大好きな居酒屋にも行けず会社にも行けずただ悶々と過ごす巣篭もり生活が長引く中で、「美味しいものが食べたい!」という本能に突き動かされ、突如料理に目覚めてしまった記録を、レシピとして発信して行きます。

 

今回はマッシュルームの旨味を最大限味わえる、キノコおつまみのレシピを紹介します。下ごしらえもシンプルで、オーブンで焼くだけの簡単料理ですが、とても豊かな気持ちにさせてくれるお気に入りのおつまみです。

 

メニュー名 :マッシュルームのガーリックグリル

調理時間 :20分

材料(2人分)

マッシュルーム 8個 

にんにく 1かけ

オリーブオイル 大さじ2

粉チーズ 大さじ1

塩 適量

黒胡椒 適量

バジル 適量

材料写真

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マッシュルームは軸の付け根に包丁で切り込みを入れながら軸をえぐり取る。マッシュルームのカサの部分はもろいので壊してしまわない様に注意。切り取った軸もにんにくペーストに必要なので捨ててしまわない様にして下さい。

 

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切り取ったマッシュルームの軸とにんにくをみじん切りにするかフードプロセッサーで粉砕する。今回は中国ならではの手動式フードプロセッサーを使用しました。これは38元(約600円)で購入しました。結構使えますよ(笑)。その後粉チーズとオリーブオイルで和え、塩、胡椒で味を整え、にんにくペーストを作る。粉チーズの塩分だけでも味が出ますので塩は味見しながら好みの濃さにして下さい。

 

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マッシュルームの軸をえぐり取ってできたくぼみ部分ににんにくペーストを詰める。

 

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250℃のオーブンで8分間焼いて完成。

お皿に盛り付け、バジルで彩りを添えて出来上がり。さあ、頂きます!

なお、私はオーブンを持っていないので、アラジングラファイトグリル&トースターのグリルパンを使用してグリル料理を作っています。このトースターは、グラファイトヒーターを採用しているので0.2秒で270℃まで瞬時に昇温し、外はカリッと中はフワッとしたトーストが焼ける優れものアイテムですが、私はもっぱらグリルパンを愛用しています。肉料理など中まで柔らかく焼けますし、基本的に油料理でもグリルパンの中で完結するので洗い物なども楽で非常に重宝しています。

↓アラジン グラファイトグリル&トースターはこちらから

 

この料理は材料も工程もシンプルですが、マッシュルームの旨味とガーリックの香り、チーズ&オリーブオイルのコクが全力で味覚を攻めてくれる一品となります。ビールと一緒にスターターおつまみとして、またワインとの相性も最高と思います。

 

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ラーメンレビュー(蘭州ラーメン) 中国蘭州老白家牛肉拉麺(広州)

美味しさ :★★★★

値段 :★★★★

清潔感 :★★★☆

サービス :★★★

総合評価 :★★★☆

 

 今回は、中国で最も有名と言える甘粛省蘭州市のご当地ラーメン「蘭州拉麺」をレビューします。

 中国にもご当地ラーメンがいくつかあり、日本人にもお馴染みのところでは、私の一押し「広東ワンタン麺(云吞面Yun2Tun1Mian4)」の他「北京ジャージャー麺(炸酱面Zha2Jiang4Mian4)」、「四川タンタン麺(担担面Dan1Dan1Mian4)」などがあり、どれもそれなりに知名度はあるのですが、「蘭州拉麺」ほどの知名度と人気を誇るご当地ラーメンは無いと断言出来ます。

 その人気の広がり方ですが、中国国内どこに行っても必ず何軒か「蘭州拉麺」専門店がある、そんな広がり方です。例えば、世界有数のグルメ都市である上海で本場の「広東ワンタン麺」や「北京ジャージャー麺」を食べようとすると、それなりの広東料理北京料理の専門店にわざわざ行きその店のメニューの一つとして頂くのが普通ですが、「蘭州拉麺」についてはあえて探さなくても結構至る所に蘭州拉麺専門店があり、同じ地区でライバル店がしのぎを削る、なんていう事も珍しくない状況といえば少し伝わるでしょうか?日本でいえば町中華のラーメン屋や、蕎麦屋うどん屋の様な位置づけと考えて頂くのが分かりやすいと思います。

 


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今回は、広州地下鉄3号線の石牌橋駅から徒歩5分に位置する「中国兰州老白家牛肉拉面Zhong1Guo2Lao3Bai2Jia1Niu2Rou4La1Mian4」を訪問します。黄色地に赤字の大きな看板の右下の方を見ると、「中華百年老字號」とあり、そのまた右には緑の字で「清真」とあります。蘭州ラーメンの歴史を調べてみると、どうやら清朝の西暦1800年頃に作られ始めたらしく、既に200年もの歴史がある事になります。「中華百年老字號」の看板に偽りなし、ですね。また「清真Qing1Zhen1」とは中国語でイスラム教を表し、この店がクルアーンに従うハラール料理店である事を表しています。


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まずは入り口を入って右側のレジで注文します。一番右下にある「伝統牛肉面」15元を注文します。


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レジで受け取ったレシートを厨房兼配膳口に提出し自分のラーメンが出て来るのを待ちます。レシートを出す時に麺の太さやラー油を入れるかどうか、ネギを入れるかどうか等の好みを伝えると聞いてもらえます。今回はスタンダードよりも少し太めの「三细San1Xi1」を選び、ラー油は入れずにネギ多め、を注文しました。これも慣れるまで言うタイミングが難しかったのですが、何とか慣れてきました(笑)。奥で職人さんがラーメンを伸ばしているのが見えますね。蘭州ラーメンの良さは、基本的に打ちたての麺が味わえるところですね。


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店内の様子です。お昼時だけあって8割以上の席が埋まっています。


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厨房件配膳口からラーメンを受け取り、空いている席を探し着席します。同僚と2人だったのですが、空いているテーブルは一つしかなく、危ないところでした(笑)。スープはご覧の通り透明度の高いタイプ。実際に飲んでみると、スッキリした味わいでいくらでも飲んでいられそうな美味しさです。ネギ多めにして貰ったのに加え、香菜Xiang1Cai4の味がポイントです。香菜ファンの私にとっては好きなスープ。今回はラー油を抜いて貰ったので本来の蘭州ラーメンの味が楽しめます。(ラー油は後で味変で使いますが)具の大根が入っているのも一つの特徴ですね。


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続いて麺を頂きます。注文の時にやや太めの三细を選択したので、ご覧の通り食べ応えがありそうな中太のストレート麺です。麺は打ち立てらしくしっかり小麦の味が味わえるタイプ。小細工は全くなく、直球勝負のラーメンですね。

 

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今回はテーブルでの待ち時間がなかったので遅ればせながら調味料チェックです。ラー油と酢、以上!(笑)潔いです。


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多めにしたネギがたっぷりと、ダイス状の牛肉が見えます。この肉を見て、日清カップヌードルの謎肉を思い出してしまうのは私だけでしょうか(笑)?


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半分ほど食べ進んだところでいよいよ味変を試みます。唐辛子どっさりの辛そうなラー油をひとサジ、いい感じです。食べてみると、ピリッとして美味しいんですが、もう少し刺激が欲しい感じです。


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という事で、ここは黒酢を投入します。以前ラーメンレビュー 家和麺館(上海) - 並んだり振り返ったりの時にも触れましたが、日本人と違い中国人はラーメンにちょくちょく酢を入れる様です。かくいう私は日本のラーメンには決して酢を入れない派でしたが、中国ローカルラーメンには気分によりたまに入れたりします。特に蘭州ラーメンには合う様な気がして、結構入れることが多いです。さあ、酢の効果はどうでしょう?うんうん、ピリッとさっぱり変貌し、この後一気に完食しました。


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総評 :中国人の国民食ともいえる蘭州ラーメンを初めてレビューしました。最近では日本でも蘭州ラーメンが流行し始めているという話も聞きましたが、さて、日本人に受け入れられるでしょうか?個人的な意見としては、香菜が一つのポイントなので好みが分かれるとは思いますが、これが好きな人はハマる味だと思います。中国では蘭州ラーメンと一言で言っても、日本と一緒で店によって味はピンキリです。中には「本当に店で麺打ってるの?」と疑いたくなる様なレベルの店もあり、がっかりする事も少なくありませんが、この店は麺のコシもありレベルが高い店と思いました。唸る様な美味しさ、ではありませんが、毎日でも行けちゃいそうな飽きない美味しさ、とでもいうのでしょうか?これが人気の秘密と思います。総合評価は星3.5★★★☆とします。

 

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