並んだり振り返ったり

中国・広州からラーメン、グルメレビューや一人暮らし料理のレシピなどの発信。

ラーメンレビュー(広東式まぜそば) 亜輝面家(広州)

美味しさ :★★★★

値段 :★★★★☆

清潔感 :★★★

サービス :★★★

総合評価 :★★★★

 

今回は広州地下鉄8号線の赤崗駅から徒歩15分に位置する、亚辉面馆Ya4Hui1Mian4Guan3をレビューします。店名にある「亚辉」=亜輝って珍しい言葉だなぁと思い、少し調べてもよくわからないので、以前おつまみレシピ 麻婆豆腐 - 並んだり振り返ったりで麻婆豆腐のレシピを教えてもらった友人に聞いてみたところ、「恐らくこの店の店主の名前じゃない?」かと言うことで、多分この店主のご両親が「亜(アジア)で燦然と輝く存在になる」ように命名したと言う見解でした。まぁ、私の友人の個人的な見解に過ぎないと思いますので、ご参考までに(笑)。

 

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 店に到着しました。黄色に赤字で亚辉面家と店名が書かれ、その下に小さな赤字で传统竹升云吞面Chuan2Tong3Zhu2Sheng1Yun2Tun1Mian4=伝統の竹昇ワンタン麺、と記載されています。竹昇麺とは竹竿を使用して麺を伸ばした、広州伝統のコシのある極細麺です。このブログで私がメインテーマとしているワンタン麺は、この独特の「竹昇面」にあっさりスープの組み合わせが基本となっており、この店も伝統的なワンタン麺、竹昇面を出してくれる店である事が看板から分かります。


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この店は写真の様な並木道が続く、閑静なマンション(団地?)街にあります。真夏にも関わらずこの並木のおかげで日陰となり、かなり過ごしやすい状態になりありがたい限りです。木々の立派なところを見るとこのマンション街は出来てから結構時間が経過しているものと思いますが、この店はマンション街の真っただ中にあり、恐らくは近隣住民のみなさんが日常的に通われる店では無いかと思います。


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 また、この店はどうやら2店舗分のスペースを使用している様です。間の壁はそのまま残っているので行き来するには一旦外に出て行き来する形になります。この辺の飾らない感じが良いです。

 レジは向かって右側の店舗にあり、オープンな入り口を入って左側にメニューが掲示されているので、この中から本日の注文を選びます。なかなか味のある手書きメニューですね!ちなみに一番上に張り付けてある紙には「先付后吃 多谢合作Xian1Fu4Hou4Chi1 Duo1Xie4He2Zuo4」とあり、これは日本風に言えば「先に食券をお買い求め下さい。ご協力ありがとうございます」という意味です。ただ、直訳すると「先に支払いその後食べること」という事になり、だいぶニュアンスが異なりますね(笑)。これ、物凄く中国らしい表現だと思います。

 今回は事前情報により、この店には云吞面以外の看板メニュー「红葱头捞面Hong2Cong1Tou2Lao1Mian4」が人気との事で、本日は趣向を変えてこちら(小12元)と净云吞Jing4Yun2Tun1小9元を注文します。注文を済ませ席に着きます。

 

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今回は休日の朝10時過ぎ、ブランチに訪れましたが、お店には近所の方と思われる親子や女性おひとり様がゆったり朝食を楽しんでおり、店内は時間がゆっくりと流れている雰囲気です。先ほど述べたように並木のお陰で日差しが強くないせいか、扇風機だけで充分快適な状態になっています。


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今回は開放的なオープン席を選択し着席。オープン席と言っても店頭にテーブルと簡易椅子を並べただけのものですが、微かに風も感じられ、心地良い空間です。店頭の厨房で麺をゆでている男性の姿が真面目そうで好感が持てます。


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料理が届くまで調味料チェックをします。左から、酢、醤油、ラー油、辛味ペーストと、標準的なラインナップですね。ただ、どうやら竹昇面の相棒である大根漬物は置いていない様です。残念!


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ラー油は固形分が多く粘度が高いタイプ。色もかなり黒く、いい味出しそうな外見です。


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辛味ペースト


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5分経たないうちに料理が運ばれてきました。竹昇面の上に玉ねぎと長葱らしきものが載っています。レンゲの中に入っているのは味付け用のタレです。また、スープが付いています。

红葱头とはエシャロットの事で、いわば小型の赤い玉葱です。この薄切りを竹昇面に乗せ、醤油だれで和えた広東省独特のまぜそばです。


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このレンゲに乗って運ばれてくるタレというのは広州に来てから2回目の経験になります。この様に乗って来ることにより、DIY感というかカスタマイズ感というか、自分で料理の最後を仕上げるような感覚を持つことが出来、個人的に大好きなスタイルです。タレの量を好きに調整できる点もいいですね。


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まずはタレをゆっくりと麺に掛けます。量を調整出来る、といっても結局は全部かけてしまうんですけどね(笑)

 

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麺の下に敷かれていた油(豚の油)と合わせ、よく混ぜたら準備完了です。

さあ!


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と思った瞬間に净云吞も到着。それではまずは食べる前に二品揃って記念撮影です。


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記念撮影が終わったところで、早速捞面Lao1Mian4を頂きます!捞面とは広東地方では、スープに漬かっていないまぜそば形態の麺の事を指します。竹升面特有の、少し縮れのある極細麺に、醤油だれと猪油(豚の油)が絡み、美味しそうな色と光沢を醸し出しています。食べてみると、醤油の香ばしさとエシャロット・猪油の甘みが溶け合い、口の中に広がります。これは、久しぶりにほっぺたが落ちそうな感覚です!


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净云吞とは麺の入っていない純粋なワンタン、といったニュアンスですね。小9元(約140円)にも関わらずたっぷりワンタンが入っています。


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ワンタンの中には肉もたっぷり入っています。

通常私は鲜虾云吞=エビワンタンがある店では、その店のフラッグシップメニューである事が多いエビワンタンを頂くのですが、エビの入っていないワンタンは懐かしい味わいが、エビワンタンとは違った魅力を持っていると思います。


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ワンタンを堪能した後、再び麺に戻ります。

先程よりエシャロットを多めに添えて頂きます。この香りがより醤油だれの旨味を引き立てますね。このコンビネーションがこの店の红葱头捞面の魅力なのだと思います。


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 半分ほど進んだところで味変を試みます。辛味ペーストを選択しお皿の脇に沿え、捞面に適宜まぶして頂くと、辛さが刺激となりより味の層が厚くなりました。

 この後、ワンタンと捞面を交互に楽しみつつ、一気に完食してしまいました。

 

総評 :今回は広東式まぜそばといえる捞面のレビューを致しました。コシのある極細麺を汁無しそばとして調理する事で、ベースに使用する猪油の香りや甘み、また今回のエシャロットのような具の旨味もより直接的に味わう事が出来る点で、スープ入りのラーメンとは異なる魅力を強く感じました。

 今回の「亚辉面家」は日本でいればマンモス団地群の敷地内にあるという立地から、地域の繁盛店の様な位置づけと思いますが、コシのある縮れ麺の美味しさからして、相当の実力店である事は間違いありません。次回再訪し文字通りの看板メニューであるワンタン麺も試してみたいですね。

 今回は、木陰のゆったりとした空間の心地良さも含め、好スコアの星4つ★★★★とします。

 

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