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中国・広州からラーメン、グルメレビューや一人暮らし料理のレシピなどの発信。

グルメレビュー(広東式釜飯) 民記煲仔飯(広州)

総合評価: ★★★★

 

 今回は広東式土鍋ご飯の店、民记煲仔饭をレビューします。

 煲仔饭Bao1Zai3Fan4とは広東料理の一つで、お一人様用の土鍋にてご飯を炊き、7分炊き程度の時点で具を乗せた後炊き上げ、熱々のまま提供されるB級グルメ的位置付けの料理で、日本で言えば釜飯に近いものですね。

 煲仔饭の歴史は古く、紀元前の周王朝の時代の文献にその作り方の記述があるとのことで、2000年以上の歴史がある様です。毎度のことながら、さすが中国!

 今回訪問する店は、広州地下鉄1号線/2号線の公園前駅から徒歩5分に位置する民记煲仔饭Min2Ji4Bao1Zai3Fan4です。早速向かいましょう。

 

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 地下鉄公園前の駅を出て歩くこと約5分、店に到着しました。

 白地に黒で店名が書かれた看板は見やすく、判りやすいです。左上には老舗を表す言葉「老字号」、店名の下には始创于1979年=1979年創業と、この店が既に40年以上の歴史がある事が分かります。日本でも中国でも40年以上も店を続けるというのはなかなか難しい事だと思います。この店が相当の人気店である事を伺わせますね。


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入り口を入り左側のレジでメニューをチェックします。大きめの字で見やすいメニューですが、食材・種類が多岐に渡っており写真もないのでなかなか日本人には難攻不落なタイプです。こういう場合、お店のおすすめが左上にある場合が多いのですが、この店はどうやら値段が安い順にならんでいますね。。「どうぞご自分の感性でお好みをお選びください」と云わんばかりです。どうしようかしばらく考え、真ん中の一番上にある「牛肉生蛋饭Niu2Rou4Sheng1Dan4Fan4」21元を注文しました。生蛋は生卵の事で、この料理は釜飯ご飯の上に牛肉を載せ熱々の上に生卵を載せる料理で、日本でもお馴染みの組み合わせです。煲仔饭の定番である「腊肉腊肠饭La4Rou4La4Chang2Fan2」=干し肉の釜飯もトライしたかったのですが、腊肉自体まだ未体験なので、今後の攻め方を改めて練ることにし、今回は日本人にも馴染みのあるメニューを選択しました。それでは席に着きます。


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達筆な字で店名と創業年が書かれています。誰か著名な書家の作品でしょうか?


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店内はこんな雰囲気です。小さい店内ですがよく整理されている感じです。ちょうどお昼前でしたが既にテーブルは埋まっています。テーブルの横の壁には「请坐4位 多谢合作Qing3Zuo4Si4Wei4 Duo1Xie4He2Zuo4」=4名様でお座り下さい。ご協力誠にありがとうございます。と書いてあります。40年以上も営業しているだけあって、お昼時などはたくさんの人が押しかけてくるのだと思います。(実際この後食べ終わり店を出る頃には本当に満員になっていました。。)


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料理を待つ間、調味料をチェックします。左からラー油、それとこれは酢でしょうか?醤油でしょうか?入れ物には何も書いておらず、外見からは判別出来ません。後で要確認ですね。


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ラー油はこんな感じです。唐辛子以外にも色々なものが入っている様で、味わって見たくなる外観です。


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繁忙時間帯に差し掛かったせいか少し待たされ、12-3分で料理が運ばれました。牛肉と、広東省の定番野菜である芥兰菜Gai4Lan2Cai4、それと生卵が乗っています。下からのぞく白飯も炊きたてあつあつで美味しそうです!これは美味しくないわけがない組み合わせですね。期待に胸が高鳴ります!


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まずは牛肉とご飯に卵を絡ませ頂きます。

うん、ご飯と卵が牛肉の旨みをうまく引き立ててくれています。炊けたご飯の熱で卵もちょうどいい半熟具合に仕上がっています。ただ、牛肉には味付けがなされているものの、それだけでは卵と一緒に食べるには味が薄い様です。

先ほど酢かどうか判別出来ていなかった調味料を少し味見し、醤油とわかったのでこれに醤油を回し入れて見たいと思います。




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醤油を回し入れ少しかき混ぜた状態です。そうそう、これこれ。家で卵かけご飯を食べる時と同様、自分の好きな量を好きな様に醤油をかけて食べる、これが日本人の一つの楽しみですよね。見た目ちょうどいい感じだったので一口食べて見ます。よし、いい塩梅です。

 

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芥兰菜を頂きます。芥兰菜は広東省の非常に有名な野菜で、広東料理では必ずと言っていいほど食される食材です。香りのいい葉の部分とほどよく歯ごたえのある茎の部分が味わえる、とても美味しい野菜です。ブロッコリーと同種の野菜で、実際にブロッコリーに味が似ていますね。この料理では牛肉とのコンビがいいバランスです。


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さあ、牛肉と芥兰菜を味わったあとは、煲仔饭=釜飯の醍醐味とも言える「おこげ」を楽しみたいと思います。土鍋の鍋底をレンゲで探ると、ありますあります。かなりの面積が焦げ付いているので、おこげを削ぎ取ってみました。いやー、いい感じでおこげが出てきましたね。

食べてみます。うんうん、これです。日本でも中国でも、釜飯の醍醐味はやはりおこげですね。ご飯が焦げた香ばしい香りが牛肉の旨みとともに口いっぱいに広がってくれます。これはもう箸(レンゲ?)が止まりません!!


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食べ進んだところで、先ほどのラー油を思い出しました。この牛肉とおこげにラー油を加えたらどうなるのか?これは試さない手はありません!具だくさんのラー油を取り出します。

 

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ラー油を掛け、混ぜ合わせてみます。ほー、おこげの褐色と卵の黄色、ラー油の茶色が合わさり、なんとも言えない美味しそうな色合いに仕上がっています。これは期待できる仕上がりです!


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おこげの部分と牛肉を一緒にラー油で頂きます。

 

うん、美味いっ!

このラー油はこれまでワンタン麺屋で頂いて来たラー油とは違いますね。日本で言う「食べるラー油」です。唐辛子のほか色々な具が入っており、程よい味付けがなされているあれです。この煲仔饭とこのラー油のマッチングは絶品です!

 


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もう一口、おこげと牛肉とラー油を頂きます!

こんな調子でもう一口、もう一口と箸とレンゲは止まらず、最後ラストスパートとなり、一気に完食となりました。


 広東料理には様々な美味しい料理がありますが、この煲仔饭は日本人にも安心してオススメ出来る料理です。

 何と言っても土鍋でご飯を炊く、というのは日本でも共通の食文化ですし、釜飯のおこげを食べるのは元々至高の楽しみと言えます。ここ広州でこれと全く同じ楽しみが味わえるローカルフードを300円そこそこで気軽に食べられるのは大変幸せな事です。今回はそれに加えて半熟卵と食べるラー油を堪能させて頂きました。次回はぜひ煲仔饭定番と言われる腊肉腊肠饭にも挑戦してみたいと思います。

  総合評価は食べるラー油加点も加味して星4つ★★★★とします。ごちそうさまでした。

 

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