並んだり振り返ったり

中国・広州からラーメン、グルメレビューや一人暮らし料理のレシピなどの発信。

知ってる?「中国10大ラーメン」 その②

 今回は「中国十大面条」紹介の第二回目です。その①でも記載した通り、この10大ラーメンは中国商務部といういわば経産省が決めたランキングで、国が決めた公式ランキングなのです。

 前回の知ってる?「中国10大ラーメン」その① - 並んだり振り返ったりでは、10位から6位までの5つのご当地ラーメンを紹介しました。ちなみにその5つとは、吉林延吉冷面、河南烩面、镇江锅盖面、昆山奥灶面、杭州片儿川でしたよね。中国に住んでいる私でも初めて聞くようなラーメンが中国にはいくつもあるんだなぁと、ちょっとした驚きでした。

 

という事で、いよいよ「中国十大面条」のベスト5の紹介をします。

 

 ベスト5の中でもベスト3とそれ以外に分けられており、結構細かい分類がなされています。それでは一気に発表しましょう!

北京炸酱面、山西刀削面、武汉热干面、兰州拉面、四川担担面がベスト5です。

その中で、北京炸酱面、山西刀削面、武汉热干面がベスト3になります!

 前回の10位から6位までの時と異なり、私は「初耳」というご当地ラーメンは見当たりませんでした。いずれもさすが上位に食い込むラーメンだけの事はあります。

 それでは前回同様に地理的なところから紹介していきましょう!

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  上の地図では前回紹介した6位~10位のラーメンも併記しているので、これを見れば「中国十大面条」の地理的関係が一目瞭然ですね。

 

 それでは、前回同様北から順番に紹介していきたいと思います。

まずは北京の北京炸酱面から行きましょう!

 北京は上海と並び日本人に最も馴染みのある中国の都市といえます。人口14億人を擁する中華人民共和国の首都であり、人口2000万人を超える巨大都市です。

 そんな北京のご当地ラーメン、炸酱面は日本でも「ジャージャー麺」と呼ばれ浸透していますよね。また、韓国でも「チャジャンミョン」と呼ばれる韓国式炸酱面があり、これは日本のジャージャー麺よりも浸透しています。炸酱面は東アジアでとてもポピュラーな麺料理と言えます。

 写真の通り、麺の上にきゅうりなどの野菜が乗せられ、肉味噌をかけ混ぜ合わせて食べるまぜそばタイプのご当地ラーメンです。

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 それでは少し南下し、シルクロード方面に西進したところにある甘粛省省都である蘭州のご当地ラーメン、兰州拉面(蘭州拉麺を紹介します。

 甘粛省は中国内陸に位置する自然豊かな省で、シルクロードで有名な敦煌もこの省にあります。兰州拉面の特徴は、一清二白三红四绿五黄という言葉で5つの色で端的に表現され、清=透き通ったスープ、白=白い大根、红=赤いラー油、绿=緑の葱とパクチー、黄=黄色い麺を表しています。ラーメンとしてはこの淡麗スープと、コシのある手打ちの中太麺が魅力の真っ直ぐな美味しさが魅力のラーメンです。

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 それでは甘粛省から東に戻り、山西省のご当地ラーメンである山西刀削面の紹介です。山西刀削面は、人口約3700万人、太原を省都とする山西省のご当地ラーメンです。山西省は日本人にとってはあまり馴染みのない省だと思いますが、中国最古の王朝と言われる夏王朝が存在したとされ、歴史的にも大変重要な地域です。山西刀削面は、その名の通り麺を包丁で削ぎ落とす独特の製法で日本でも人気を博していますよね。こうして作られる麺の独特の食感が魅力のご当地ラーメンです。

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 さて、再び内陸に向かい「麻婆豆腐」でも有名な四川省に話を移しましょう。四川省のご当地ラーメンは、こちらも日本での知名度がとても高い四川坦々面です。四川省は1世紀前半の三国志の時代、劉備玄徳や諸葛亮孔明などで有名な蜀の本拠地だった事で有名です。ラー油や胡麻ペースト、山椒を使用し、濃厚かつ刺激的に仕上げたラーメンに肉味噌が載るスタイルは、既に日本人にも多く受け入れられていますね。なお、日本ではスープのある形で提供されるのが一般的ですが、本場四川ではどちらかと言えば汁無し状態、いわばまぜそば状が主流です。病みつきになるこのラーメン、私も大好きです。

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 最後はコロナウイルスの影響で今年一気に知名度が上がってしまった武漢のご当地ラーメン、武汉热干面(武漢熱干麺)の紹介です。恐らくベスト5の中では最も日本人には馴染みが薄いご当地ラーメンではないでしょうか?

 武漢アヘン戦争をきっかけにイギリスが租界を置いた事を皮切りに、日本を含む列強の租界地が置かれた歴史を持つ都市です。事実上の占領を受けた反面、そのおかげで他の地区より発展した側面もあるのですが、この歴史とは切っても切れない都市と言えます。私も何回か訪問したことがありますが、この武汉热干面は、武漢市民に大変人気があり、朝食にはかなりの割合で地元の人々がこぞってこの面を食べていたのが印象的でした。


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これが現地で私が食べた热干面です。こんな風に紙の容器で提供されるのですが…


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ご覧の通り立ったまま、また歩きながら皆さん食べていますね。若い女性でも同様に通勤途中に歩きながら食べていたのが印象的でした。

 

この武汉热干面はラー油や胡麻ペーストを使用していますので先ほど紹介した四川担担面と見た目が似ています。実際味も近い部分があるのですが、胡麻ペーストの味が強く、坦々麺に比べるとかなりこってりまったりした味わいに仕上がっています。担担面の辛味噌味に対し、热干面は濃厚な胡麻が主張した味です。

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 2回に渡って紹介して参りました、中国十大面条、いかがでしたでしょうか?2回目の今回は上位5種類ということで、私たち日本人にも馴染みのあるご当地ラーメンが大半でしたね。

 実は、個人的には納得出来ない部分が無いではなく、わたくし一押しの広東云吞面がランクインしていないのです!江蘇省の麺が2つランクインしていたりと、少し政治的な力が働いていた香りも致しますが、ここは大人の対応といたしましょう。ランクインしたものの中には兰州拉面の様にこのブログでも既に紹介済みのラーメンもありますが、私は未食のものも多かったので、是非試してみたいと考えています。

 それでは今回はこの辺で、お読み頂きありがとうございました。

 

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知ってる?「中国10大ラーメン」その①

 今回はいつもと少し趣向を変えて書いて行きたいと思います。

日本でも、日本三景(松島、天橋立、宮島)とか、日本3大祭(京都祇園祭、大阪天神祭、東京神田祭)など、その分野で優れたものを幾つか並び称する習慣がありますが、国が変わってもそれは同じみたいです。

 中国でも例えば山で言えば中国五岳(嵩山、泰山、华山、衡山、恒山)や、中国3大発明(羅針盤、火薬、印刷)など、おおよそ人間というものは列挙するのが好きな様ですね。

 話をラーメンに移すと、日本にも「日本3大ラーメン」というのがあるらしいですね?「えっ?そんなのあったの?」と思った方、3つとも言い当てられますか?

 

 実は、札幌、博多、喜多方の3つのラーメンをそう呼んでいるとの事。皆さんどう感じましたか?

 私は半分納得、半分意外、そんな気持ちですね。そもそもラーメンというものは、料理の中でもそれぞれの味覚によって好みが大きく分かれる料理です。なので3大ラーメンなどと言って並べても余り意味をなさないのかもしれませんね。

 こんな身もフタもない考えを述べた後で非常に恐縮なのですが、更に話を中国に移してみたいと思います。

 実を言うと、なんと中国では正式に「10大ラーメン」が決められているんです!

 2013年に中国商務部と中国飯店協会が「中国十大面条」を決めたもので、商務部と言えば日本で言えば経産省ですから、まさに国として正式に認定されたものと言えます。こんなところにも共産主義国家の中国を感じますね。

 前置きが長くなってしまいました。早速「中国十大面条」を紹介して行きたいと思います!
 まず、第十位から第六位までまとめてどうぞ!


吉林延吉冷面、河南烩面、镇江锅盖面、昆山奥灶面、杭州片儿川

これら5つのご当地ラーメンが選ばれました!

 

。。。って「知ってる、知ってる」という方、いらっしゃいます??

私は、と言われれば十大面条を知る前から知っていたのは、河南烩面と吉林延吉冷面の2つのみで、他は初耳でした。

(しかも吉林延吉冷面の方は韓国冷麺としてですけどね^_^)

中国に住んでいる私ですらこんな状態なので、おそらく多くの方がもっと「???」かと思います!
このラインナップを見たら何だか雲をつかむ様な話に思えてきたので、それぞれの地理的背景から紹介して行きたいと思います。まずは下の中国全体地図をご覧ください。

 

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北から行きます。

まず一番北は吉林省吉林延吉冷面」ですね。吉林省は中国の中で東北3省(ほかに黒竜江省遼寧省)の一つに数えられ、地理的に寒い地域になります。また、地理的に朝鮮半島に近い事もあり、少数民族である朝鮮族が多く住む地域でもあります。私が冷麺というものを食べたのは韓国ですが、ほぼ同じ料理である「冷麺」が中国十大面条にもランクインです。冷麺といえば日本にも「盛岡冷麺」がありますし、意外に国際的な料理である事に驚きでした。

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 続いて河南省まで南下し「河南烩面」です。河南省鄭州市が省都で人口約9000万人の大きな省です。非常に歴史のある地域で、かつて周や隋などの時代に都がおかれた古都洛陽や、宋の都開封などを擁する、歴史的に極めて重要な地域です。また、少林寺がある事でも有名な地域です。

 「河南烩面」は強力粉をこねて作る弾力のあるきしめんのような幅広面が特徴で、豚骨ならぬ羊の骨を煮込んで白濁させたスープとのコンビネーションが特徴の麺です。私はまだ未食ですが、古くから栄えた古都で培われたラーメンがどの様な味なのか、いつか体験してみたいと思います。

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 次は江蘇省に移り、「镇江锅盖面」の紹介です。

 江蘇省は人口約8000万人で南京市が省都です。中国経済の中心都市・上海の北西に広がる形で経済的にも繁栄した省で、「東洋のベニス」とも呼ばれる水都・蘇州や、無錫旅情(by尾形大作)で有名な無錫など、日本人にも馴染みのある都市が多く、日系企業も多く進出するなど、経済的にも中国を牽引している地域の一つです。

 「镇江锅盖面」のご当地である鎮江は無錫と南京の中間に位置し、「鎮江黒酢」が中国全国的に有名な人口約300万人の街です。

(私は以前江蘇省に住んでいた事があるので、鎮江という街にはなじみがあったのですが、残念ながら「镇江锅盖面」については聞いたことがありませんでしたT_T。)

 「镇江锅盖面」はコシのある平打ち縮れ麺が特徴の麺のようで、コシのある麺好きの私としては、是非一度トライしてみたいラーメンですね。

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 続いて、同じ江蘇省昆山奥灶面の紹介です。

 昆山市は上海市と隣接する江蘇省でも一番東にある都市で、人口は約100万人と中国としてはこじんまりとした市です。上海からは高铁Gao1Tie3=中国版新幹線で20分余りで到着してしまうほど近く、東京近郊でいえば新横浜の様なイメージでとらえて頂くと分かり易いかと思います。

 その昆山のご当地ラーメンである昆山奥灶面ですが、ご覧の通りのストレート細麺で、見た目は東京醤油ラーメンなんかに似ているのですが、どうやら「青鱼Qing1Yu1」という川魚の身から鱗まで煮込んでだしを取るらしく、魚介出汁ラーメンも好みな私は結構興味あります。(「川魚」というところが少しチャレンジングですが笑)

 こちらも未体験なのでチャンスがあればトライしてみたいと思います。

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 さて、中国十大面条6位~10位の最南端を飾るのは、杭州片儿川です。

 杭州は、やはり上海市に隣接する浙江省省都で、人口約1000万人を誇る中国でも有数の都市で、観光資源としては「西湖」が非常に有名です。また、歴史的には宋王朝時代に靖康の変で北方の金に敗れ、首都開封を追われた北宋の高宗が南に逃れ、南宋として再建した際の都を「臨安」として杭州に置いた古都としても知られています。

 杭州片儿川ですが、「十大面条」という割に、その名前に面を表す文字が一切入っていない事が特徴的な料理です。その特徴はというと、どうやら豚赤身肉の細切り、筍、高菜を具とする事の様です。

 また、なぜ「片儿川」という変わった名前になったのか?という部分ですが、一説にはこのラーメンの具である豚肉や筍が細切りにされることから、杭州語で「細切り状」という言葉を当て字にした、という事らしいです。

 写真で見る限り麺は中太ストレート麺で、コシがあるかどうかが不明な点が気にかかりますが、やはり一度はトライしてみたい麺です。

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 さて、普段とは趣向を変えてお送りした中国十大面条巡りの旅(笑)、6位から10位はいかがでしたでしょうか?

 10種類全て紹介するにはボリュームが大きすぎるため今回はこれ位で一旦締めたいと思います。上位5種類のラーメンは次回のテーマとして改めて紹介させて頂きます。

To be continued...

1位から5位はこちら

知ってる?「中国10大ラーメン」 その② - 並んだり振り返ったり

 

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ラーメンレビュー(広東式まぜそば) 亜輝面家(広州)

美味しさ :★★★★

値段 :★★★★☆

清潔感 :★★★

サービス :★★★

総合評価 :★★★★

 

今回は広州地下鉄8号線の赤崗駅から徒歩15分に位置する、亚辉面馆Ya4Hui1Mian4Guan3をレビューします。店名にある「亚辉」=亜輝って珍しい言葉だなぁと思い、少し調べてもよくわからないので、以前おつまみレシピ 麻婆豆腐 - 並んだり振り返ったりで麻婆豆腐のレシピを教えてもらった友人に聞いてみたところ、「恐らくこの店の店主の名前じゃない?」かと言うことで、多分この店主のご両親が「亜(アジア)で燦然と輝く存在になる」ように命名したと言う見解でした。まぁ、私の友人の個人的な見解に過ぎないと思いますので、ご参考までに(笑)。

 

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 店に到着しました。黄色に赤字で亚辉面家と店名が書かれ、その下に小さな赤字で传统竹升云吞面Chuan2Tong3Zhu2Sheng1Yun2Tun1Mian4=伝統の竹昇ワンタン麺、と記載されています。竹昇麺とは竹竿を使用して麺を伸ばした、広州伝統のコシのある極細麺です。このブログで私がメインテーマとしているワンタン麺は、この独特の「竹昇面」にあっさりスープの組み合わせが基本となっており、この店も伝統的なワンタン麺、竹昇面を出してくれる店である事が看板から分かります。


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この店は写真の様な並木道が続く、閑静なマンション(団地?)街にあります。真夏にも関わらずこの並木のおかげで日陰となり、かなり過ごしやすい状態になりありがたい限りです。木々の立派なところを見るとこのマンション街は出来てから結構時間が経過しているものと思いますが、この店はマンション街の真っただ中にあり、恐らくは近隣住民のみなさんが日常的に通われる店では無いかと思います。


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 また、この店はどうやら2店舗分のスペースを使用している様です。間の壁はそのまま残っているので行き来するには一旦外に出て行き来する形になります。この辺の飾らない感じが良いです。

 レジは向かって右側の店舗にあり、オープンな入り口を入って左側にメニューが掲示されているので、この中から本日の注文を選びます。なかなか味のある手書きメニューですね!ちなみに一番上に張り付けてある紙には「先付后吃 多谢合作Xian1Fu4Hou4Chi1 Duo1Xie4He2Zuo4」とあり、これは日本風に言えば「先に食券をお買い求め下さい。ご協力ありがとうございます」という意味です。ただ、直訳すると「先に支払いその後食べること」という事になり、だいぶニュアンスが異なりますね(笑)。これ、物凄く中国らしい表現だと思います。

 今回は事前情報により、この店には云吞面以外の看板メニュー「红葱头捞面Hong2Cong1Tou2Lao1Mian4」が人気との事で、本日は趣向を変えてこちら(小12元)と净云吞Jing4Yun2Tun1小9元を注文します。注文を済ませ席に着きます。

 

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今回は休日の朝10時過ぎ、ブランチに訪れましたが、お店には近所の方と思われる親子や女性おひとり様がゆったり朝食を楽しんでおり、店内は時間がゆっくりと流れている雰囲気です。先ほど述べたように並木のお陰で日差しが強くないせいか、扇風機だけで充分快適な状態になっています。


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今回は開放的なオープン席を選択し着席。オープン席と言っても店頭にテーブルと簡易椅子を並べただけのものですが、微かに風も感じられ、心地良い空間です。店頭の厨房で麺をゆでている男性の姿が真面目そうで好感が持てます。


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料理が届くまで調味料チェックをします。左から、酢、醤油、ラー油、辛味ペーストと、標準的なラインナップですね。ただ、どうやら竹昇面の相棒である大根漬物は置いていない様です。残念!


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ラー油は固形分が多く粘度が高いタイプ。色もかなり黒く、いい味出しそうな外見です。


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辛味ペースト


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5分経たないうちに料理が運ばれてきました。竹昇面の上に玉ねぎと長葱らしきものが載っています。レンゲの中に入っているのは味付け用のタレです。また、スープが付いています。

红葱头とはエシャロットの事で、いわば小型の赤い玉葱です。この薄切りを竹昇面に乗せ、醤油だれで和えた広東省独特のまぜそばです。


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このレンゲに乗って運ばれてくるタレというのは広州に来てから2回目の経験になります。この様に乗って来ることにより、DIY感というかカスタマイズ感というか、自分で料理の最後を仕上げるような感覚を持つことが出来、個人的に大好きなスタイルです。タレの量を好きに調整できる点もいいですね。


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まずはタレをゆっくりと麺に掛けます。量を調整出来る、といっても結局は全部かけてしまうんですけどね(笑)

 

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麺の下に敷かれていた油(豚の油)と合わせ、よく混ぜたら準備完了です。

さあ!


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と思った瞬間に净云吞も到着。それではまずは食べる前に二品揃って記念撮影です。


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記念撮影が終わったところで、早速捞面Lao1Mian4を頂きます!捞面とは広東地方では、スープに漬かっていないまぜそば形態の麺の事を指します。竹升面特有の、少し縮れのある極細麺に、醤油だれと猪油(豚の油)が絡み、美味しそうな色と光沢を醸し出しています。食べてみると、醤油の香ばしさとエシャロット・猪油の甘みが溶け合い、口の中に広がります。これは、久しぶりにほっぺたが落ちそうな感覚です!


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净云吞とは麺の入っていない純粋なワンタン、といったニュアンスですね。小9元(約140円)にも関わらずたっぷりワンタンが入っています。


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ワンタンの中には肉もたっぷり入っています。

通常私は鲜虾云吞=エビワンタンがある店では、その店のフラッグシップメニューである事が多いエビワンタンを頂くのですが、エビの入っていないワンタンは懐かしい味わいが、エビワンタンとは違った魅力を持っていると思います。


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ワンタンを堪能した後、再び麺に戻ります。

先程よりエシャロットを多めに添えて頂きます。この香りがより醤油だれの旨味を引き立てますね。このコンビネーションがこの店の红葱头捞面の魅力なのだと思います。


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 半分ほど進んだところで味変を試みます。辛味ペーストを選択しお皿の脇に沿え、捞面に適宜まぶして頂くと、辛さが刺激となりより味の層が厚くなりました。

 この後、ワンタンと捞面を交互に楽しみつつ、一気に完食してしまいました。

 

総評 :今回は広東式まぜそばといえる捞面のレビューを致しました。コシのある極細麺を汁無しそばとして調理する事で、ベースに使用する猪油の香りや甘み、また今回のエシャロットのような具の旨味もより直接的に味わう事が出来る点で、スープ入りのラーメンとは異なる魅力を強く感じました。

 今回の「亚辉面家」は日本でいればマンモス団地群の敷地内にあるという立地から、地域の繁盛店の様な位置づけと思いますが、コシのある縮れ麺の美味しさからして、相当の実力店である事は間違いありません。次回再訪し文字通りの看板メニューであるワンタン麺も試してみたいですね。

 今回は、木陰のゆったりとした空間の心地良さも含め、好スコアの星4つ★★★★とします。

 

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ラーメンレビュー(ワンタン麺) 伝統雲呑面(広州)

美味しさ :★★★★

値段 :★★★★

清潔感 :★★★

サービス :★★★

総合評価 :★★★★

 

今回は広州地下鉄8号線の鷺江駅から徒歩10分に位置する、传统云吞面Chuan2Tong3Yun2Tun1Mian4をレビューします。鷺江駅は広州のシンボルとも言える川・珠江の南側に位置する町で、広州のもう一つのシンボル・広州タワーに比較的近い場所に位置します。広州は珠江の北側に広州駅などの昔から栄えた地区があり、南側はどちらかといえば新しく開発された地区になります。それでは駅を降りて店に向かいたいと思います。

 

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駅から少し歩き、店に辿り着きました。こじんまりとした雰囲気のある店ですねー。看板は一番上にデカデカと「面」!(笑)更にその下には、これも大きな文字で「传统云吞面」と店名が書いてあります。この店名は日本語で言えば「伝統ワンタン麺」と、名前からしていきなり大きく出ています。大きな文字の「面」!と相まって、自分の店の料理に対する揺るぎない自信と情熱を感じる看板ですね。さあ、果たしてこの立派な看板にふさわしい料理が本当に出されるどうか、確かめに行きましょう!


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店に入りメニューを確認します。まず、最上部に営業時間が書いてあるのはちょっと珍しいですね。朝7時から夜12時までやっている様です。朝食から飲んだ後のシメまで幅広い使い方が出来る使い勝手の良い店なんですね。さて、私はいつもの鲜虾蟹仔云吞面(小)12元を注文します。


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席を探しますが… 結構お客さんで一杯です。今日は休日なのでのんびり家を出て来たため、既に午後2時半なのですがこの入りの多さ、人気店である事は間違いないです!「混んでいる店に不味い店なし」がモットーの私は期待が広がります。今日はゆったり座れそうな店頭にあるオープンエア席に座りましょう。


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それでは席につきます。(ここは店頭のオープンエア席(笑)のため前方に隣の八百屋さんが写ってしまってます。西瓜が美味しそうです!)まずは調味料チェックをしましょう。左から、醤油・酢・胡椒・ラー油です。オーソドックスなラインナップですが、あれあれ?大事な大根漬物がありませんね…

 

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と思ったら隣のテーブルにはありました!既に使い終わっている様子だったので「持っていって良いですか?」と聞いて持って来ました。大根漬物はこんな感じです。


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ラー油はこんな感じ。


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5分ほどでラーメンが出て来ました。ワンタンが麺の下に隠れる王道タイプ。それにしても何度見ても飽きませんねぇ、この小さな器に黄金色のスープ、極細面の組み合わせ。好きです。


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早速いただきます!スープは見た目通りあっさり系ですが後味にコクを感じます。熱々なのもやる気充分ですね。麺は極細でやや縮れがついてます。腰が強いタイプですが喉越しはしなやかですね。うん、美味しいです!麺とスープの相性も抜群です。


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海老ワンタンは4つ入っていました。ご覧の通りレンゲいっぱいの大ぶりワンタンです!


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中にはプリプリ海老が一杯で、肉の旨味と相まり、ワンタンもとても美味しいです。12元という価格なのにクオリティ高いですねー!


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夢中で食べていたのでもう残り少ないですが(笑)、ラー油で味変します。唐辛子の効いた辛さがスープに広がり心地いい… んん!少し入れすぎたかな(笑)?


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さあ、こんな時の強い味方!大根漬物の登場です。口直し兼ねてレンゲいっぱいに頂きます(笑)!この酸味と甘味が口直しにぴったりなんですよね。

この後大根の助けも得ながら一気に完食です。ご馳走様でした!

 

総評 :オーソドックスながら随所にこだわりとキレを感じる味わいで、大きく書かれた「面」の看板に偽り無しの実力店に巡り会えました。スッキリしてコクがあるスープや、コシがありしなやかな喉越しの麺というのが、この店のこだわりを表していると感じました。営業時間が夜12時までというのも顧客目線を感じ好印象です。今回は文句無しの星4つ★★★★でお願いします。

 

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ラーメンレビュー(客家式まぜそば) 嘉応面粉厰(広州)

美味しさ :★★★★

値段 :★★★☆

清潔感 :★★★★☆

サービス :★★★☆

総合評価 :★★★★

 

今回は広州地下鉄3号線の林和西駅より徒歩7-8分に位置する嘉应面粉厂をレビューします。以前のラーメンレビュー 陳記三及第 棠石路385分店(広州) - 並んだり振り返ったりで初めて出会い感動した、広東省梅州のご当地ラーメン「腌面Yan1Mian4」を再びレビューします。腌面はおそらく日本では殆ど知られていないご当地ラーメンですが、このブログがきっかけで私は既にはまってしまっています(笑)!当初の目的は「広東ワンタン麺を極める!」という事でしたが、同じ広東省のご当地ラーメン「腌面」にも魅了されてしまいましたので、今後サブテーマとしてレギュラー出演させていく予定です!(ワンタン麺店ほど店の数がない様なので出来る限りですが)

腌面は広東省北部にある梅州という客家の町の名物で、日本で言えばまぜそばです。客家の事に関しては陳記三及第のレビューで触れていますのでよろしければご参照下さい。

ibird.hatenablog.jp

 

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地下鉄を降り、歩いて店にたどり着きました。店名の嘉应面粉厂(嘉応面粉厰)の下に英訳が書いてありますね。こうして頂けると日本人にも解りやすくて有難いです(笑)。「Jiaying Noodle FTY.」 嘉应Jiayingというのは地名で、この腌面の発祥の地、梅州市のかつての地名です。日本でも金沢を加賀と言ったり、鹿児島を薩摩と言ったり、そんなイメージで捉えるとわかりやすいです。また面粉と言うのは麺類の総称として使われていますね。以前ラーメンレビュー 西関明記腸粉(広州) - 並んだり振り返ったりでも触れた通り、中国では日本の概念とかなり異なっていて、小麦粉で作ったものを面、米から作ったものを粉と呼んで区別しています。その両方を併記することにより麺類全体を表しているのだと思います。また、厂 FTY.はFactoryの省略形で、「麺工房」のような語感を出そうとしているのでしょうか?


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客家伝統の味である事を前面に押し出しています。それでは中に入りましょう。


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 メニューを選びます。今日はメニューの中心にあった超值套餐Chao1Zhi2Tao4Can1=バリューセットを選択します。これは三品を選ぶ方式になっていますね。元々お目当てだった腌面(梅州式まぜそば)と三及第(クコの葉と豚ホルモンのスープ)は外せないので、肉沫腌面Rou4Mo4Yan1Mian4+状元三及第Zhuang4Yuan2San1Ji1Di2に蚝油生菜Hao2You2Sheng1Cai4を組み合わせます。

 スープである三及第の前についている言葉「状元」とは何でしょうか?それはそもそも三及第の名前の由来に関係があります。

 三及第って面白い名前のスープと思いましたが、これは隋の時代に始まった中国の官僚登用試験である科挙にて上位3名の事を総称して称えた言葉の様です。ちなみに1位が状元、2位は榜眼Bang1Yan2、3位が探花Tan4Hua1と呼ばれていたそうで、この主席の称号を冠することにより最上級の三及第という事を表現しているのでしょう。なお、このスープは豚の赤身肉、レバー、シロを煮込んで出汁を出したスープですが、この豚肉三部位を科挙の上位3名の称号になぞらえて命名された様です。

 


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注文を済ませて席に着きます。お昼時とあって満員です。この店は清潔感があるせいか女性比率が多い様ですね。


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調味料チェックをします。この店は調味料が各テーブルの上に置いてある一般的なスタイルではなく、店の一角にまとめて設置してあり、それを各々お皿に取っていくタイプですね。個人的にはテーブルに置いてある方が味があって好きですが、これはこれで合理的な方法と思います。


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左側から醤油、酢、塩、胡椒、にんにくペースト、辛味ペーストです。前回の陳家三及第と同じくにんにくペーストと辛味ペーストが両方置いてあります。どうやらこれが客家ラーメン屋のスタンダードの様ですね。


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両ペーストを小皿にとり席に戻ります。


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すると、5分ほどしてまずは三及第が到着です!このスープの特徴とも言える豚肉のアクはそのままですが(笑)、見るからに熱々で美味しそうです!


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スープを飲むと、おおおっ、予想通り熱々のスープで、火傷しない様に気をつけながら飲み込みます。すると五臓六腑に染み渡り、身体を癒してくれる様です。肉をすくい上げるとレバーやホルモンがたっぷり入っています。独特の歯応えを残して口の中に旨味が広がっていきます。



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その後数分して腌面が到着しました。早速冷めないうちに記念写真を撮ります。


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肉そぼろの量は結構多めですね。少しリッチ仕様の様です。


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よく混ぜ合わせたら、さあいよいよ麺を頂きます。麺はやはり腌面特有の中太でやや縮れのあるストレート麺です。食べると、そうそう、これこれ、これが食べたかったんです!前回の陳家三及第に比べると滑らかな喉越しが特徴です。やはり、美味しいですね、この麺は。また、ガーリックの香りが効いたタレも絶妙に麺に絡み味覚を刺激し続けてくれます。食べるたびに日本のまぜそばを思い出し、涙が出そうになります(笑)。


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ピンボケですみませんがクコの葉を頂きます。このクコの葉がパンチのある掩面との相性抜群で、爽やかな口直しをさせてくれます。クコの葉って本来苦い葉っぱだと思いますが、うまく調理しているなぁと感心してしまいます。


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さあ、ニンニクペーストを投入、味変に入ります。このラーメンはとにかくニンニクが良く合う仕様になっており、刺激と旨みが更に増します。


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中から大量の豚ホルモンが出てきました。なんかやきとんを思い出すなぁ。。


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サイドメニューの生菜もしっかり頂きます。こういう昼食でも野菜がふんだんに採れるというのは、単身の身としては大変ありがたいです。


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今回はまぜそば+ホルモンスープ+野菜と豪華なラインアップでしたが、最後辛味ペーストを投入して一気に完食しました。ごちそうさまでした!

 

総評 :このブログを通じて巡り会えた、広東梅州のご当地ラーメン「腌面」に再び巡り会う事が出来大変嬉しいです!生まれて2度目の掩面ですが、この店もコシがある非常にクオリティの高い麺を提供しています。初めて食べた陳記三及第と比較するとコシはやや抑えめで、しなやかな喉越しが楽しめる麺に仕上がっていました。また、相棒の三及第の味付けも、シンプルながら旨みたっぷりのスープを堪能させて頂きました。ありがとうございました!

腌面は私にとってどストライクのメニューだけにこれからも頑張って開拓して行きたいと思います。今回も高得点の星4つ★★★★とします。

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ラーメンレビュー(ワンタン麺) 常平竹昇面

美味しさ :★★★

値段 :★★★★

清潔感 :★★★★

サービス :★★★

総合評価 :★★★☆

 

今回は広州地下鉄3号線の石牌橋駅から徒歩3分に位置する、常平竹升面Chang2Ping2Zhu3Sheng1Mian4をレビューします。常平とは、広州に隣接する東莞市東部にある地名で、この店はこの地で創業した竹升面のチェーン店の様ですね。

 

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赤字の大きな看板が印象的ですね。看板の右上に「食神蔡润推荐品牌」とあります。蔡润Cai4Run4とは人名で、食神と枕詞が付いていますのでグルメ王の様な人だと思われます(残念ながら私は存じ上げませんが)。推荐Tui1Jian4は推薦、品牌Pin3Pai2はブランドの意味なので「グルメ王の蔡潤さんが推薦するブランド」と、有名人による権威付けによりブランド価値向上を図っています。


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店の入り口には「大众点评 必吃榜 上榜品牌Da4Zhong4Dian3Ping2 Bi4Chi1Bang3 Shang4Bang3Pin3Pai2」と記載のある看板があります。以前、ラーメンレビュー 家和麺館(上海) - 並んだり振り返ったりの時も書きましたが、大众点评=大衆点評とはちょうど中国版「食べログ」であり、必吃榜=必食ランキングですので、日本で言うなら「食べログの必食ランキングにランクインしたブランド」という事で、これは期待できます!また、その下にある大きな文字は、グルメ王の蔡潤さん直筆と思われる文字で、「掂Dian1」という文字が書かれています。掂は初めて見るので、意味を調べると「量る」という意味との事。「量る」って??と思い結構悩んだ末、あっ、ここは広東省だと思い出し、広東語での意味を調べると、なるほど「優れている」という意味だそうで、お店を称賛する言葉の様です。日本でも有名人のサイン付きで「美味しかったです!」なんて書いてある事がありますが、そんなノリなんだと思います。

前置きが長くなってしまいましたが、早速店に入りましょう!

 

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壁の上の方に掲示されているメニューを眺めます。ここはやはり真ん中に鎮座している「鲜虾云吞面Xian1Xia1Yun2Tun1Mian4」を頼まない訳には行かないですね!


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さあ、調味料チェックです。「あれ?注文は?」と思われた方、どうもありがとうございます(笑)。上の写真の左上の端っこの部分にQRコードが写っていますよね?この店はこのコードを読み取る事でスマホから注文が出来るのです!!今回はこの仕組みを利用して注文を済ませました。最近中国ではこのシステムのお店も増えています。QRコードを発明したのは、自動車部品メーカー最大手デンソーの原さんという日本人なのですが、Alipayなどの決済システムといい、QRコードの活用という意味では中国に2歩も3歩も先を行かれている印象です。まぁ、便利さと背中合わせにリスクは必ず存在するので便利な事が良いことばかりでは無い(私は日本の現金主義が好きです)とは思いますが、こんな時思わず「がんばれニッポン!」と叫びたくなってしまいます。

 なお、調味料は奥からラー油、胡椒、辛味ペースト、醤油、酢です。大根漬物は無い様ですが、ラー油と辛味ペーストが両方味わえるとはすばらしいですね!

 

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辛味ペーストとラー油はこんな感じ。


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ここの箸はパステル調でカラフルです。


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店内はお昼時とあって満員です。女性比率が高いですね。清潔感のある店内のせいでしょうか?


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壁に竹升面を作る工程につき写真入りで説明が掲示されています。ちなみに竹升って何だと思いますか?実は広東語で竹竿の事らしく、竹竿を使って麺を伸ばすところからこの名前がついたそうです。


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さて、7-8分待ってラーメンの登場です!この店は広東ワンタン麺のスタンダードとも言える、麺の下にワンタンが隠れているタイプ(少し端が見えちゃってますが)です。このタイプ、何だか風格を感じて好きなんですよね。能ある鷹は爪を隠す、とでも言いましょうか。


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さて、生まれて初めてピンクの箸でラーメンを食べる気がします(笑)。スープは標準的な淡麗スープで、わずかに甘みが強めの感触です。麺はご覧の通り、やや縮れのある極細麺です。一般的に竹升面はそうめんと同様に、細ければ細いほど良しとされますが、この店の面は特に細い部類に入りますね。麺を食べると、ああ、細い上に硬めの仕上げですね!私は通常ラーメンの麺は硬いのが好みですが、少し硬すぎるかな?といった印象でした。もう少ししなやかさが欲しいところです。


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ワンタンは大ぶりのものが5つ入る豪華版です。

 

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食べてみると、肉と海老がたっぷり入って美味しいワンタンですね。欲を言えば海老はもう少し大ぶりの方が歯応えを感じられて良かったと思いました。


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1/3位食べたところで味変に入ります。辛味ペーストもありましたが、私はやはりラー油を選択します。うん、良い刺激が加わりました!


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肉と海老満載のワンタンを楽しみつつ、ラー油の刺激と共に感触です。ごちそうさまでした!

 

総評 :食神の蔡潤さんのお墨付き、更にグルメサイト大衆点評の上位ランクインという事で期待が高すぎたかも知れませんが、普通に美味しいワンタン麺、というのが私の印象です。超極細麺や大ぶりのワンタンなど、素材が良いだけにもう少し丁寧に美味しさを追求すればかなり凄いワンタン麺になると思えるラーメンでした。ひょっとしたらお昼時の繁忙時間帯だった、とか作り手によるばらつき、とかの原因もあったかもしれませんので、再訪して確かめてみたいと思います。あと、やはり口直しに大根漬物は欲しかったですね!少し辛めの総評になってしまいましたが、もっと良くなる期待を込めさせて頂きました。総合評価は星3.5★★★☆とします。

 

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ラーメンレビュー(順徳魚麺) 郭胡魚面(仏山)

美味しさ :★★★☆

値段 :★★★

清潔感 :★★★★☆

サービス :★★★★☆

総合評価 :★★★★


今回は広州のお隣、仏山に足を伸ばしてみました。郭胡鱼面Guo2Hu2Yu2Mian4をレビューします。仏山広州市内から地下鉄で行ける程近いのですが、今回目指した順徳区という地区は、仏山市の中心部から相当南にあります。なので観光がてらにちょっと脚を伸ばしてというわけには行かず、路線バス乗り継ぎの一人修行旅となりました。太川さん、蛭子さんの辛さがよ〜く分かりました(笑)。

 

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店に到着。保利百合花園という大規模タワマン群の中に位置します。ちなみに、実際に行きたいと思われる方がいらっしゃらないとも限らない(?)ので、今回使用したルート、佛山祖庙からの乗継ルートをご案内しておきます。なお、中国で数字(路線番号)+路といえばバスの事です。

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利用交通機関:地下鉄広仏線→K807路→K335路→323路(4路線乗り継ぎ!)

所要時間:約2時間半!!

いや、初めは休日に仏山祖廟を観光がてらの軽い気持ちだったんです。距離も同じ市内だから知れてるだろうと。ところが調べて見ると結構果てしなく遠い。さてどうしようか?と一瞬考え、すぐに行くべし!と結論づけました。今回行かなければ2度と行けないかも知れない、せっかく得たチャンスは大切にしようと。でも途中で後悔の念が湧いて来そうになるのを何度も抑え、乗り継いでようやく辿り着きました。もう夕方です泣!

 

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気を取り直すためにまずは仏山祖廟の写真です。これは孔子廟ですね。


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さて、ラーメンレビューに戻ります。入口の扉を開け、調理場にいた女主人に「良いですか?」と聞くと、「お食事ですか?」と聞かれたので「はい」と答えると「お好きなところへどうぞ」と言われテーブル席へ。今回は午後4時という一番中途半端な時間だったため当然先客はなし。店内は完全冷房で清潔な雰囲気。写真からも清潔感が漂ってきますね。


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朝食の後何も食べていなかったため空腹で、肉入りにも惹かれましたが、ここはやはり招牌Zhao1Pai2=名物と記載のある「郭胡鲜虾鱼包鱼面Guo1Hu2Xian1Xia1Yu2Bao1Yu2Mian4」を注文します。ところで鱼面Yu2Mian4とは何だと思いますか?実は小麦粉の代わりに魚のすり身を使用して麺を打った仏山順徳の珍しいご当地麺なんです。メニューに作り方が書いてありますね。「上質の鲮鱼Ling2Yu2(川魚の一種)のすり身を100%使用し、数十にも上る工程を経ることで、滑らかで弾力がある、美味しく栄養満点の魚面が作られます」こんな説明書かれたら期待するなというのは無理ってもんです。初めての体験に期待が高まります!


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調味料チェック。左奥は塩、右奥が酢、左手間が白胡椒、その右が爪楊枝で一番手前の大きいのが辛味ペーストです。


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白胡椒はホールスパイス状でペッパーミルに入っている本格派ですね。こだわりを感じます。


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辛味ペーストはこんな感じ。かなり特徴的な黒っぽい色が攻撃的な味を連想させます。ここにもこだわりが感じられますね。


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そうこうするうちに5分ほどでラーメンが到着。上から見る限り白いスープの上に海老団子と海藻、ねぎ?、コーンが載っており、その上にパクチー胡麻が掛かっている様ですね。うん、美味しそうです。


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さあ、これが噂の魚面です!小麦粉では無く魚のすり身を使用しているためか、色は少し灰色がかっており、結構表面に凹凸があります。これはスープとの絡みが良さそうに見えます。また、かなりの太麺なので食べ応えが有りそうです。さあ、頂きます!

スープは魚の出汁が効いたあっさりスープですね、美味しいです。

肝心の麺に進みます。おー、見た目通り太麺で弾力があり食べ応えがあります。また、噛み締める度に魚の香りが口の中に広がり、文字通り体験した事の無い美味しさです!はるばる順徳まで来た甲斐があったな〜。


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エビ団子です。これの作り方もメニューに書いてありましたね。「鲮鱼Ling2Yu2のすり身を厚み約1mmになるまで薄く伸ばして薄皮を作り、その中に上質な海老を使用した海老のすり身を入れて作られた海老団子です」との説明。海老のすり身と魚のすり身を混ぜて作らずにわざわざ魚のすり身を薄皮にするなんて、物凄いこだわりです。さあ、食べてみましょう。


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断面に海老が一杯です!中の海老率が高くて嬉しい断面です、これもいけます!


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キャベツや海藻がたっぷり入っていて栄養バランスも良好ですね。

 

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さあ、辛味ペーストで味変を試みます。女主人が麺をサーブしてくれた時、「うちの辛味ペーストは自家製なので是非お好みで味わってみて下さい」と言いながら小皿を持ってきてくれていたので、小皿に取ってみます。

うーん?これは??一体何が入っているのか、見当が付きません(食べても分かりませんでした笑)。いずれにせよ色合いが素晴らしく、見るからに美味しそうです。

 


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スープに溶かしてみます。うんうん!見た目通り深みのある味でこのペーストは美味しいです。元々があっさりスープなのでこれで刺激が加わり美味しくなり、味変成功です。ただ、相当激辛なので入れ過ぎ注意です!


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かなり豪華なタワマンが立ち並ぶ一帯に店はあります。椰子の木が南国っぽくていいですね。

 

総評 :食在広東のメッカとも言える仏山市順徳で、これまで体験したことが無いラーメンを体験する事が出来て感激です。魚肉で出来た麺というと蒲鉾?なんてイメージしてしまいますが、蒲鉾の食感とは完全に異なり、しっかりコシも弾力もある食感に魚の良い香りが香って来る、そんな麺でした。あっさりスープにも魚のダシが出ており、具の主役だったエビ団子と連携し、この希少な麺を盛り立てていました。またこのラーメンに出会える事を祈って星4★★★★とします。

 

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